大型船で近づけない「沿岸域」遊漁船で調査

能登半島沖では地震後、これまでに海上保安庁や海洋研究開発機構(JAMSTEC)などが海底地形調査を行っていますが、水深が浅い沿岸域は近づけず、詳しい海底地形が分かっていません。

九州大学浅海底フロンティア研究センター長で、浅い海域の調査を専門に行う菅浩伸教授(60)は、ドローンやロボットを開発する民間企業「ワールドスキャンプロジェクト」と共に、4月27日から5月5日にかけて、遊漁船を使って能登半島沖で海底の地形を調べる「マルチビーム測深調査」を行いました。

沿岸域の調査を専門に行う菅教授=5月3日

調査では船に取り付けた装置から超音波を発射し、海底から反射された音波をリアルタイムで捉えます。

水深が浅い海域ほど、一度に計測できる範囲が狭くなるため、港のすぐ外側では何度も往復しながら地図の空白地帯を埋めていきます。

海底地形図のモニター 黒い線は遊漁船の航跡=輪島沖、5月3日

「色を塗っていくような感覚で測深していく。浅いと色鉛筆で色を塗っている感じ、深くなるとはけで塗っている感じ」(菅教授)