街の人が抱く国連へのギモン…安保理は“機能不全”なのか?

小川キャスター:
さまざまな声があるなかで、国連が何をやっているか具体的なイメージが湧かないという声や、期待の声も聞かれました。率直にどのように聞かれましたか?

国連事務次長・軍縮担当上級代表 中満泉さん:
私たちは、「国連」といったときにいろいろな顔や側面があるということを、まず申し上げています。

確かに、非常に機能していないところは国連の安保理なのですが、安保理もすべてのテーマについてまったく機能停止に陥っているかというと、実はそうではありません。

いろいろな紛争を国連安保理は扱っていますが、いまだにきちっと合意がなされて、決議案が通過するような、さまざまなテーマもあるわけです。

他方、ウクライナやイスラエル、ガザの問題と、常任理事国同士のなかで一致していない部分に関しては、拒否権の乱用があって、その結果、合意が形成されない。その意味では、安保理というのが非常に難しい状況にあることは事実です。

ただ、たとえば1950~60年代のように、1年のうちに決議が1本しか通らなかったような時代もありました。それに比べると、今も機能している部分もあると思います。ですので、まったく機能しないということではありません。

藤森キャスター:
合意が形成されないから、ニュースになってみんなに知れ渡るということになっていますね。

国連事務次長・軍縮担当上級代表 中満泉さん:
そして私たち国連、たとえば人道支援機関や、事務局の政治的なさまざまな舞台裏での交渉のお手伝いといったことで国連もしっかり頑張って、いろいろ活動している部分もたくさんあります。

人道支援に関しても、14日もセキュリティのスタッフが1人亡くなりましたが、いまだにガザに入って、何とか支援を届けたいと毎日努力をしているスタッフが本当にたくさんいます。

ある意味本当に国連がライフラインになっていますので、なくてはならない。国連が仮になかったとするとどういう状況になるのだろうかということを、やはり覚えておかなければいけないということもあります。

小川キャスター:
そうしたなかで先ほどの安保理の話につながってくるのですが、街の声のなかには「北朝鮮の核ミサイル開発の問題を国連の場で解決するのは難しいのではないか」というものもありました。この声はどのように聞かれて、どう答えますか?

国連事務次長・軍縮担当上級代表 中満泉さん:
どのテーマについても、国連だけで何をやって、これだけをやれば解決するという単純な状況では、もはやありません。

国連はいわゆる話し合いの場の一つであって、何か舞台裏で、しかもたくさんのさまざまなところで、いろいろな積極的な働きかけをして、その結果、直接関与があって、対話があって、少し熟してきたところで国連に持ってきてというような、さまざまな努力を組み合わせてやっていくというのが、北朝鮮もそうですが、現在のさまざまな外交上の課題のあり方だと思います。

ですので、国連だけがやればいいということではなくて、関係諸国、そして国連総会の多くの加盟国の力も借りながら努力をしなければいけない問題なのだろうと思います。

小川キャスター:
北朝鮮をめぐっては先日も、制裁の履行を監視する安保理の専門家パネルが活動停止となってしまいました。これもロシアの拒否権によるものですよね。どのようにお感じになっていますか?

国連事務次長・軍縮担当上級代表 中満泉さん:
これも非常に残念でした。このあと、どのような形で引き継いでいくのか。

安保理のなかではできなくなってしまいましたが、北朝鮮の問題を国連のなかで引き続きモニターして、そして解決につながるような努力を続けていけるのかということを今、加盟国、関係諸国が探しているような状況にあります。