アメリカドルの信用の低下 中央銀行が「ドルから金へ」

 基軸通貨と言われるくらいドルは信用されていましたが、2つの理由で雲行きが怪しくなりました。ひとつはリーマン・ショック、このときアメリカの景気が悪くなったので、ドルをたくさん刷ったことにより、信用が失われてしまいました。

 そしてもう一つが、ウクライナ侵攻のときのロシアに対する経済制裁です。経済制裁によって、ロシアが持っているアメリカのドルはすべて使えなくしてしまった、これによってアメリカとの国際関係がよくない国は、今まで一番信用できると思ってドルを持っていたのに、アメリカのドルが突然使えなくなるかもしれないと考えたわけです。

 そこでアメリカドルではなく、金を所有するようになったのが大きな理由です。それに加えて、今は国際情勢がとても不安定になっているので、中央銀行も個人も、ドルから金へという流れになっています。ここまでが金の値段が上がっている主な理由とされています。