5月12日(日)、近畿大会への出場権をかけた大阪、奈良、和歌山の決勝が行われて、5月25日(土)から始まる高校野球近畿大会の出場校8校のうち、京都府の優勝校を除く7校が決定。昨年秋の近畿大会に出場できなかった強豪校が復活する一方で、フレッシュな学校も出場権を手にしました。

履正社、大阪桐蔭を破った大阪学院大高が大阪大会初優勝!

激戦区大阪を制したのは、履正社、大阪桐蔭の近年、大阪の高校野球をリードしてきた2校を破った大阪学院大高。4回戦で履正社を9対8の乱打戦の上で振り切ると、5回戦を突破して、準々決勝では今年も圧倒的な戦力を誇る大阪桐蔭と対戦。大阪桐蔭のエース平嶋桂知選手の前に、8回までは3安打無得点に抑えられる苦しい展開となります。しかし9回、相手のミスに乗じて、ワンチャンスをいかして2対1と逆転、1点のリードを、強力打線を相手に粘り強いピッチングを続けていたエースの前川琉人投手が、見事に守り切り、王者に競り勝ちました。

打線の中心、4番のラマル選手を欠いていたとはいえ、大事なところでミスが出て敗れた大阪桐蔭。報徳学園(兵庫)に競り負けたセンバツに続いて、この大会も勝負どころのエラーをきっかけに逆転負け。打線の破壊力や投手陣の圧倒的な能力が目立つ中で、実際には、堅実なプレーがこれまでの大阪桐蔭の強さを支えてきただけに、夏に向けて不安を残しました。

大阪学院大高は、この勢いのまま、準決勝の大商大高に3対2で勝利すると決勝は、4回の集中打で4点を奪って一気に逆転。4対1で興国を下して見事、大阪大会初優勝を飾りました。

報徳学園が準々決勝で完敗「同じパターンで抑えられていたのが大きな課題」

敗戦の後、ミーティングを行う報徳学園

開催地として近畿大会へは3校が出場する兵庫では、選抜大会2年連続準優勝の報徳学園が準々決勝で東洋大姫路に、まさかの完敗。この春の大会は、「チーム力の底上げと新戦力の発掘」をテーマに臨んだ報徳学園。選抜準優勝の原動力となった今朝丸裕喜、間木歩の両投手は、温存する形でこの試合に臨みましたが、2回に5点を失うと、その後は1点を返すのが精一杯。しり上がりに調子を上げた東洋大姫路の10番、中島賢也投手のまえに、13三振を喫する一方的な内容で敗れ去りました。「敗れたこと以上に、選手たちに打席での工夫がなく、同じパターンで抑えられていたのが大きな課題。春の大会は、(チーム力の底上げの意図もあって)選手たちの考えるチカラ、対応力に期待したが、満足のいく結果は得られなかった」と語った大角健二監督。試合後は、もう一度、選手たちに緊張感を持たせるとともに奮起を促していました。

準々決勝を勝ち抜いたのは、東洋大姫路に加えて、実力校の神戸国際大附属をタイブレークの末ふりきった明石商、秋の大会に続いて勝ち上がってきた須磨翔風、育英との継続試合を逃げ切った社の4校、決勝は、ともに準決勝を1点差の接戦で勝ち抜いた社と須磨翔風が激突しました。迎えた決勝戦、須磨翔風が序盤に3点をリードするも、社が6回に同点に追いつくと7回にも3点を奪って逆転、その後の須磨翔風の反撃を1点に抑えて6対4で勝利、15年ぶり3回目の優勝を飾りました。

決勝に先立って行われた3位決定戦では、明石商が東洋大姫路に2対1で競り勝って、近畿大会の出場権を手にしました。ベスト8以降は、紙一重のゲームが続いた兵庫大会、夏に向けて、どこが抜け出してくるのか、各校の動向から目が離せません。