施設建設の積算書「存在しない」

し尿処理施設のほか建設中のごみ処理施設の工事費用の内訳などが書かれた積算文書について、永原町長は繰り返し「存在しない」と断言してきました。
大任町 永原譲二町長「ここにいう特殊のプラントについては、市町村、大任町には積算書が存在していないんですよ」「この方式を採って入札した場合については、日本全国探しても積算書は存在していないんですよ」
「存在しない」はずの積算書があった

その積算書について福岡県に情報公開請求してみたところ一部の資料が開示されました。
福岡県の担当者「こちらの方の施設が会計検査の対象になりまして、その関係でたまたま県に大任町から提供いただきました」
し尿処理施設に関し、国の会計検査院は対象でない施設についても交付金を受け取っていたとして大任町に3600万円を返還させました。
開示されたのは過大に請求した交付金を返還したことを報告するため、大任町が福岡県に提出した資料でした。
RKB今林隆史記者「公開された文書には工事に関する詳細な金額が記されています」
これは大任町が「存在しない」と主張してきた積算書なのか?
RKBの取材に対し、大任町は「『工事の積算書がない』というのは、『行政が作成した積算書はない』という意味で、業者が作成した積算書は提出を受けている」と説明しました。
田川市議は大任町に何度も求めてきたのは「行政が作成した積算書」に限定していないと強調します。
田川市議会 佐藤俊一議員「大任町が作ろうが作るまいが、こういったものがないと工事ができないわけです。受託した業者であろうが、大任町が作ろうが、私達が求めているのはこの積算書なんです」
問われる透明性

田川地区ではし尿処理施設だけでなくごみ処理施設も大任町に委託していて、組合長を務める永原町長に権限が集中しています。
ほかの自治体、そして何より住民に十分な説明もなく、区割りを変更した永原組合長。
不透明な意思決定と情報公開に後ろ向きな姿勢に住民の不安と疑念は増すばかりです。