8カウントが「大事」
しかし、すごいのはここからなんです。井上選手はダウン後、膝をついて休み、8カウントでようやくファイティングポーズを取ります。
井上選手はこの8カウントが大事だったと語っていて、「すぐ立ってしまうと足のふらつきが残ってしまう」ので、あえてゆっくり立ち上がったといいます。元世界スーパーフェザー級王者・内山高志さんによると「ボクサーは普通、ダウンした時は意識が飛んでしまい、カウントも聞こえておらず、急いで立ち上がってしまう」もので、井上選手の冷静さは際立っていると評価します。
さらに第1ラウンド後のインターバルで、井上選手は、会場のモニターに映し出された、自分が倒される場面のリプレイ映像を観察。ネリ選手の左フックの軌道を分析していたといいます。
5階級制覇への挑戦は?
これで井上選手の戦績は27戦全勝、24KO、KO率88.8%。9日発表された、「もし体重差がなかったら誰が最強なのか」というランキングで、井上選手はなんと1位に選ばれたのです。
井上選手はライトフライ級から階級を上げ、すでに4階級制覇しています。気になるのは、さらに階級を上げるのかどうか。
内山さんは「スーパーバンタム級では敵がいない状態。2階級上のスーパーフェザー級でも十分戦える」と話します。
井上選手自身は、これから出てくる若い選手に立ちはだかる「ラスボスでありたい」と手記で語っており、当面は、この階級で闘う意向を示していますが、日本人男子初の5階級制覇を狙うのか。今後の活躍に期待が高まります。
(「サンデーモーニング」 2024年5月12日放送より)














