米粉のニーズ高まる ここにきてなぜ?
ここに来て、全国的に米粉のニーズが高まってきているといいます。吉備中央町にある製粉会社「シーワン」です。岡山県内で栽培された米粉用米を中心に商品を生産しています。

シーワンによりますと、かつて2010年頃に米粉のブームが訪れたと言います。当時は主にパンの原材料の小麦の代わりとして使用されていました。しかし、そのブームも長くは続かなかったということです。

(シーワン米粉事業部 田中満部長)
「米粉を入れることでどうしても『製パンした時の原価』ですよね。そこが跳ね上がってしまったり、あとは膨らみにくいとかですね。そういった作り手の不便性のところで問題があったのかなと思います」

しかしその後、小麦アレルギーの人でも食べられることや、アミノ酸などの栄養がバランスよく含まれている部分などが注目され、再びニーズが高まってきたのです。

倉敷市上東にある就労継続支援事業所が運営するベーカリーです。倉敷市が開催した米粉のイベントにも参加したこの店では、おととしから米粉を使った商品の販売を始めました。
(クラシス 下津愛理さん)
「腹持ちがよくて、あとはもちもちした食感のケーキになります。健康志向のために、米粉を主とした焼き菓子とかパンを食べられている方が多いので」
米粉の需要増加「円安も追い風に」

さらに追い風となっているのが、世界情勢や円安による輸入小麦価格の上昇です。小麦の政府売り渡し価格が2019年は1トンあたり約5万円だったのに対し、2022年には7万2千円あまりまで上がりました。
小麦価格が高騰した時期には米粉との価格差が小さくなり、小麦の代用品として注目されたのです。農林水産省のデータでは今後も米粉用米の需要と供給が伸びると予想されていて、製粉会社も需要拡大を見込んでいます。
(シーワン米粉事業部 田中満部長)
「今まで使いにくかったっていう米の品種をいかに使いやすくするかっていうことで、需要はかなり伸ばすことができるかなって思ってます」














