マイナンバーカードの脆弱性とは?「まずは目視で確認」

運転免許証だと、たとえば「裏でコピーを取らせていただきます」「番号を控えさせていただきます」といったことができます。しかし基本的にマイナンバーカードは、個人番号の控えや裏面のコピーが、法律で定められた部分以外は禁止されています。

つまり、店員さんがお客さんからマイナンバーカードを出されても、まずは目視で確認する。これによって話が進んでいってしまうということです。

一番のポイントとしては、ICチップを読み取る端末さえあれば、目視なんてしなくても、その端末にかざしてすぐに一発でわかります。ところが今は、その端末を導入できているお店が少ない。ここの部分を突いた犯罪ではないか、ということがみえてきたわけです。

ホラン千秋キャスター:
スマートフォンの乗っ取りというところから始まったことだとは思うんですけれども、生活が便利になるなかで、私たちも「こういう危険があるんだ」「リスクがあるんだ」ということをしっかりと知っておかなければならないですし、アップデートしなくてはいけないですよね。

萩谷麻衣子 弁護士:
マイナンバーカードは本人確認資料としてかなり証明力が高いものだと周知されていますけれども、その安全性を確保するためのシステムが、まだまだ全然追いついていないことが露呈されたと思います。

住所と氏名と生年月日がわかれば、やろうと思えばマイナンバーカードは偽造されてしまう。それにプラスして携帯番号も調べれば、スマホの乗っ取りがなされるかもしれないという危険性があるわけですよね。

こういう情報は、別にネットに公表しなくても相手に渡すことはありますし、ひどいときは、売られてしまうこともあり得なくはないです。これをやられると本人はどうしようもないので、防止するシステムは絶対に必要だと思います。

ただ今回、たとえば電子マネーを不正に使われた、不正にローンを組まれて買われてしまったといった場合、電子マネー会社ではおそらく保証してくれるでしょうし、ローン会社に支払い停止の抗弁を出せば支払わなくて済み、被害回復できる可能性は十分あると思います。

ただ、やられてから被害回復するのではなくて、それをやられないようなシステムを構築することがやはり重要だと思います。