あの生物が異例の大量発生です。その生物とは「カメムシ」です。
一般的に、秋に姿をみせるカメムシが、今年、早くも大量発生しています。専門家にそのワケを聞きました。
宮崎市の清武総合運動公園。

(公園の清掃員)
「4~5日前はすごくいっぱいだった。球場の周りとかも、だいぶいる」
女性がそう話す生物は、刺激すると悪臭を放つカメムシ。
今回、昆虫に詳しい南九州大学の新谷喜紀教授と運動公園でカメムシを探しました。
8日、服装やカバンなどすべてカメムシと同じ色に統一してきたという新谷教授。
さっそく発見します。


30分間で15匹を採取しました。

(南九州大学 新谷喜紀教授)
「異例ですね、これは。夏以降9月ごろからすごく増えることは例年あったが、春にこんなに多いことは私も初めて。5倍から10倍、あるいはもっと多いかもしれない、それくらい多い」
今年は、なぜ、春から大量に発生しているのでしょうか。
(南九州大学 新谷喜紀教授)
「昨年の秋にいたものが、世代を交代せずにそのまま越冬して成虫でいるが、やはり冬越しをする時に一定割合は死んでしまう。ところが、今回の冬は(寒さが)あまり厳しくなかった。そのため、死亡した個体の割合が少なくてこの春は多い」
去年秋、全国的に大量発生したカメムシ。

その多くが暖冬などの影響で越冬に成功し、今年の春も大量に残っているということです。
新谷教授はカメムシを撃退する際は、専用の殺虫剤を使用するほか、半分にカットしたペットボトルを使った方法を勧めています。

(南九州大学 新谷喜紀教授)
「両手で、こちらに放り込んであげてこうやって入れます。最後にはティッシュペーパーを固めたものを上から口をしてやったりすると、いいかと思います」
また、カメムシは「果樹害虫」とも呼ばれていて、新谷教授は梨やミカンなどの農家に対し注意を呼びかけます。
(南九州大学・新谷喜紀教授)
「(カメムシは)果樹の汁がすごい好きなので、梨などの農家は警戒が必要かと思う。『果樹害虫』とされているので、薬剤散布という方法はあると思う」
自宅の周りにいっぱい出ているという人と、あまり出ないという人もいるんですが、カメムシは紫外線の光に寄ってくるので、LEDに切り替えるのも対策になるということです。
※MRTテレビ「Check!」5月8日(水)放送分から