5月2日、大阪市にある北野病院などの研究チームが開いた記者会見で、先天性無歯症の患者向けに開発した「歯生え薬」の治験を今年9月から開始すると発表しました。
どのように歯を生やすのか?その仕組みについて、詳しくみていきます。
「歯生え薬」の仕組み
南波雅俊キャスター:
夢の新薬「歯生え薬」は、生まれつき歯の本数が少ない「先天性無歯症」の患者向けに開発されました。
加えて、北野病院・歯科口腔外科の高橋克主任部長は昨日の会見で、「後天的に歯がなくなったものについても代用できるのでは」と話しました。つまり、将来的には虫歯やケガなどで歯を失った人にも、永久歯に続く“第3の歯”を生やすことができる可能性があるというのです。

では、どのように歯を生やすのか?その仕組みは、健康な人であれば存在しているという「次の歯を作る芽」を利用するといいます。そもそも、歯が生えている人、先天的に歯が生えていない人にも、歯の根元には「次の歯を作る芽」があるそうです。

ですが、永久歯以降は歯が生えてきませんよね?というのも、この「次の歯を作る芽」が「USAG-1」というタンパク質により成長を阻害されてしまうからです。

今回の「歯生え薬」は、その成長を阻害する「USAG-1」の働きをブロックすることで、芽が育つようになるという仕組みなのです。