「ここで3時間動けない」…背景にはドライバー巡る深刻な労働環境も

取材した市道は、2車線とも一方通行になっていて、トラックドライバーたちの絶好の待機場所になっています。一週間後、同じ場所に行くと、片付られたはずの道路脇に、スプレー缶、靴など、たくさんのごみが捨てられていました。弁当箱、吸い殻など、トラックからごみを捨てる光景にも何度も出くわしました。また、路上で用を足したドライバーは、この日だけで5人も。

(トラックドライバー)
「『デジタコ』が付いているので動いちゃダメ。3時間以上の休憩が絶対。動いたら休憩扱いにならない」

2015年から、総重量や積載量の大きなトラック(緑ナンバーの場合 総重量7トン以上か最大積載量4トン以上)は、「デジタルタコグラフ」と呼ばれる装置を付けることが義務付けられています。

デジタルタコグラフには、トラックが「今どこを」「時速何キロで走っているのか」「何分かけて積み下ろしをしたか」といった情報がリアルタイムで記録されます。取材したトラックは、この場所で3時間、1センチも動かずに待機しなければならないといいます。

また、休憩時間とは別に、荷主側の都合で長時間待機させられる「荷待ち」をしなければならないケースも。取材したドライバーの多くが「待機場所が少ない」という悩みを口にしていました。国は2023年7月、トラックGメンを創設し、悪質な荷待ちなどをさせる企業を厳しく取り締まっていますが、根絶には至っていません。

長時間の拘束が「ポイ捨て」につながっている実態。取材した中には「ポイ捨てはしない」というドライバーも多くいましたが、一部のドライバーによるモラルなき行為が繰り返されています。

CBCテレビ「チャント!」4月22日放送より