■「お金の教育はこれからの生きる力に繋がる」お金を通じて世の中に興味を持ってもらいたい!
NYに暮らしてお金の教育の大切さを強く感じた吉川さんは、日本の子どもにむけてマネー講座の開催を始めました。お金の付き合い方には正解がないからこそ、自分で考える力を身につけて欲しいと感じています。では、具体的にどのように子どもたちに「お金の話」を教えているのでしょうか?

吉川さん:
お金を上手に使う、貯める、増やしていく話をしていきます。お金を通して、世界の動きや世の中で何が求められているか、ということに興味を持ってもらいたいと思っています。例えば、投資するなら、ただお金を増やすのではなく、それが世の中のためになるにはどうしたらいいのかを考えてもらいたいと思っています。
吉川さんの「マネー講座」は、基本的には3回で完結します。講座はあくまでお金の勉強を始めるきっかけで、続きは家庭で・・・との思いです。そこで、家庭でいますぐ実践できる子どもへの「お金の話」のポイントを3つ教えてもらいました。
ポイント1
「買い物する前には、予算をまず決めさせる」
いくら自分が使えるのか忘れないように、まず子どもに買い物の予算を考えさせることが、とても大切になります。今後キャッシュレス社会が進んで、現金を手にしないため、お金を使うという感覚はますます薄れがちになります。買い物をする際の前提として、自分の予算を意識することを教えましょう。
ポイント2
「必要なものか、欲しいものかを考えさせる」
チョコレートは、必要なもの 、なのか、欲しいもの、なのか。
卵は?牛乳は?そして、まず必要なものを買って、余ったもので欲しいものを買うことを教えます。自分が決めた予算の範囲内で、お金をどうやって使えばいいのかを学べます。
ポイント3
「買い物しながら、値段の話をする」
いま物価が上がっているのはどうしてかな?同じ商品でも価格が違う、なぜだろう?
2個だとこの値段なのに、10個だとこの値段で安くなっているね、など、スーパーなどの身近な価格について子どもと話し、価格について考えるきっかけを与えます。価格の妥当性を知るだけでなく、価格の変動にも敏感になり、その背景にある社会の動きにも興味を持つきっかけになります。
マネー講座を受けた子どもたちの反応は上々で、実際にお金の話をしてみると、子どもたちは、とても興味があるし、楽しいと言ってくれるそうです。また、自分たちが子どもの頃にこの講座を受けたかったと、親御さんの反応もすごく大きかったことから9月に向けて親子で学べるマネー講座の準備を進めているそうです。
そして最後に吉川さんは、アメリカの家庭から学んだ金融教育の大切さをこう語りました。
吉川さん:
アメリカのお母さんたちは、「お金を知ることは世の中を知ることだし、これからの生きる力に繋がるんだ」とみんな口を揃えます。「お金について、わかるんだったら早く教えたい。算数がわかるようになったら、どんどん教えたい」と言います。 お金を知ることは、生きていくための大切な学びです。マネー講座は、お金を通じて物事を考えること、もっと世の中に貢献できるということ、世の中に興味を持つということに繋げたいなというふうに思ってやっています。