完成まで10年 故郷の姿、記録誌に託して

震災直後からおととしまで、毎月、赤宇木にあるすべての住宅の放射線量を測定してきた今野さん。記録誌には、そのデータも収録されています。

2021年取材

完成までに10年。今野さんは、慣れない作業から体調を崩すこともありました。また、この間に、亡くなった人たちもいます。

今野さん「(赤宇木では)60有余の方たちが亡くなっちゃったんだよね。この原稿を出してくれた方も、聞き取りした方も、そこの中に含まれているんです。見たかったんだろうなって思うとね。その10年間の長い月日は申し訳なかったなって」

いまだに帰れないふるさと。将来が見通せない中で、かつての姿を記録誌に託さざるを得なかった地域が、いまも残っています。

※記録誌は非売品で、350部発行され、地域の住民などに順次配布されるほか、今後は赤宇木から避難した人がいる県内外の図書館などにも納められるということです。