ノイズ扱いされる悲しき存在...そもそも「宇宙線」ってなんだ?

天文愛好家からは「ノイズ」扱いされてしまっている「宇宙線」。ではその正体はいったい何なのでしょうか?

(山陽学園大学 地域マネジメント学部 米田瑞生さん)
「『宇宙線』は、宇宙空間を飛んでいる放射線などの粒子の総称です。地球にも降りそそいでいますが、多くは大気にブロックされています」

「それでも、地上に到達するものもあります。ですから、高い山へ登ったり飛行機に乗ったりすると、放射線被曝量は増加します」

「『霧箱』(【画像③】宇宙線と霧箱)という装置(アルコールのガスを充満させている箱)に『宇宙線』が飛び込むと、その通った跡に雲を生成することがあります」

【画像③】宇宙線と霧箱

「似た原理で、地球大気にも『宇宙線』が原因で雲が生成されることがあると言われています。ですので、気候変動の原因に『宇宙線』が関与していると考える研究者もいます」

では、どうして「宇宙線」が写り込むの?

――人間の目には見えない「宇宙線」がなぜ写り込むのでしょうか。

(山陽学園大学 地域マネジメント学部 米田瑞生さん)
「何らかの宇宙線が、カメラのCCDやCMOSセンサーに衝突すると、あたかもそのピクセルが光を受けたかのように反応してしまうのです」

「光学的に宇宙を観測している我々にとって、この宇宙線はやっかいなノイズです。宇宙の彼方から発せられて、何千年か何億年かかけて、たまたまカメラのセンサーにたどり着き、人間の都合でノイズ扱いされるのも可哀想ではあります」

天体写真では「ノイズ」扱いされる「宇宙線」。それを直に見ることは適いませんが、実は、私たちを通り抜けていっているのです。