ふるさとで必要とされているのは…“ちょっとした助け”だった


実家の離れを自分たちで改修して、訪問介護事業所を立ち上げたのは2023年6月。仕事を始めてみて分かったのは、介護ではなく、「ちょっとした助け」を必要としている人が、予想以上に多いことでした。

(田代果穂さん)
「ご飯を出してほしいとか、買い物に行ってほしいという依頼が多く、みんなが、そこに困っているということに気付きました。そういった気持ちに応えることが大事だから、守っていきたいなと思います」

雪が融け、小さなフキノトウを見つけた田代さん。長い冬も終わり、ようやく高鷲にも春が訪れようとしています。高鷲町では「冬季入所」という形で、3か月間だけ施設で冬ごもりをして、春とともに家に戻る人も多いそうです。

(田代果穂さん)
「入所したままの人もいるけれど、何人かは家に帰ろうって。私たちが高鷲で訪問介護を作ったから、帰ってきてくれたのかなと思いました。本当は家で住みたいけど、泣く泣く施設に行くことになったという人を減らしたいです」

過疎が進み、消滅する可能性も指摘される大切なふるさと。それでも田代さんたちは、そこで暮らしたいと願う人々を支えるため、きょうも住民のもとを訪れています。

CBCテレビ「チャント!」4月9日放送より