今回の鹿児島市議選では、引きこもり生活の中で学んだ経験を社会福祉の向上に生かしたいと訴えた31歳の新人も当選しました。
無所属の新人で31歳の本田和輝さん。障害者施設の支援員を経て、鹿児島市議選に初めて立候補しました。
(本田和輝さん(31)無・新 出陣式第一声)「私は学生時代、15歳の頃に挫折した。学校に行けずに、なかなか社会復帰ができず、20歳までそのような時期が続いた。この先どうなるんだろうかと、全くその先が見えていないような時代だったが、私は地域や福祉に救われて今がある」
本田さんは高校に入学したあと不登校になり、引きこもりの生活が20歳まで5年間、続きました。
そんな本田さんが立ち直るきっかけになったのは、2013年に鹿児島市の障害者支援施設「あさひが丘」で働き始めたことでした。人と人が寄り添う福祉の魅力を知った本田さんは、最近まで10年間にわたって職場の仲間と一緒に障害者の世話を続けてきました。
(本田和輝さん(31)無・新)「その中でたくさんの温かさや、やさしさをもらって、どんどん元気になった。あれほど社会から離れていたのに、どんどん社会、まち、そして人が大好きになっていった」
(あさひが丘学園・水流純大理事長)「学校に行けなくなったつらい経験で、すごく心がすさんでいたと思うが、障害者の人と接することで、いやされて心が回復したと思う」
そして迎えた投票日。本田さんは支持者とともに開票作業を見守ります。
そして、15日午前2時すぎ、最後のグループで当選が決まりました。
(母親の昌子さん)「本当になんと言ってお礼を言っていいかわからないぐらい、感謝でいっぱいです。ありがとうございます」
(父親の修さん)「(引きこもりから)立ち直っている姿を見ると、本当に感無量です」
(本田和輝さん(31)無・新)「市議会では私しかできないことがあると思っていて、引きこもりの時代、不登校の経験を私は当事者として感じているので、今苦しんでいる人々に寄り添っていきたい」














