南九州市の新しい庁舎の建設計画を巡り、市民グループが計画の賛否を問う住民投票を実施するための条例案が市議会の臨時会で11日、否決されました。
南九州市は現在、頴娃・知覧・川辺に分散している築50年以上の3つの庁舎の機能をまとめて再来年5月の完成を目指し、知覧の特攻平和会館に近い市有地に新たな本庁舎をつくる計画です。
しかし、資材の高騰などで事業費が当初の45億円からおよそ64億円に膨らんだこともあり、市民グループが有権者2,337人分の署名を集めて計画の賛否を問う住民投票を求めていました。
11日の臨時議会では、住民投票の実施を求める条例の制定案が審議され、議員からは「住民投票であらためて市民の声を聞くべき」といった賛成の意見や、「建設の賛否が争点となった去年の市長選で決着はついている」などの反対意見が出されました。そして採決の結果、賛成5、反対12で否決されました。
(南九州市 塗木弘幸市長)
「効率上がる行政を行うため、国からの支援(24億円見込み)を説明しながら(新庁舎建設を)進めていきたい」
塗木市長は新庁舎計画について、再来年5月の完成を目指す方針に変わりはないとし、「今後も市民向けの説明会を重ねて理解を得たい」としています。