きっかけは孤立出産「感じた理不尽さ」
きっかけとなった出来事のうちの1つは、5~6年ほど前に、同様の事件の裁判を傍聴した際に受けた印象だったという。
「被告の女性の事情を分からずに、どちらかというと責めるような裁判官の質問とか、検察官の質問があって。そして、かつ検察側の証人の方々も、結構憶測で物を話されるわけです」
「そもそも『孤立出産』っていうのは、産婦人科医も小児科医も経験しないので、だんだん推測を超えて憶測になってしまって、それが結果として裁判で不利に働くわけです。それがちょっと傍聴しながら理不尽だと思ったので」
「『孤立出産』を経験している、知識を持っている人間が、色々なご説明すべきではないかという思いからです。つまり、彼女たちの状況を分かった上で判決を下してもらいたいと。刑を軽くして欲しいとかいう話じゃなくて、分かってもらいたいというところで、お手伝いしたいというのが1つです」
蓮田医師の述べた「孤立出産」とは、妊娠した女性が、専門的な医療を受けることなく、自宅などで1人出産することを指す。