日本最大級の淡水魚「イトウ」を養殖している青森県鰺ヶ沢町で、ふ化に向けた「採卵作業」が始まりました。
鰺ヶ沢町の赤石川上流にある養殖場では、1989年から白神山地から湧き出る清流を利用し「イトウ」の養殖に取り組んでいます。
体長1.5mにもなるサケ科の「イトウ」は、かつて小川原湖にも生息していましたが、今では北海道の一部でしか生息していないため「幻の魚」とも呼ばれています。
養殖場では、春の産卵時期に合わせ卵を取り出す「採卵」作業が始まりました。
作業では、麻酔で眠らせたメスから直径3mmほどの卵を丁寧に搾り出していきます。そしてオスの精子をかけて受精させ、ふ化させます。
鰺ヶ沢町イトウ養殖場 十三学さん
「今年の冬は雪が少なくて、去年よりもっと水が少ない可能性があるので水量と水温の徹底した管理をしたいと思います」
受精させた卵からは、1か月ほどで稚魚が生まれ、1年かけて施設の中で育てた後、屋外の池で4年間、体長が50cmほどになるまで養殖されます。
養殖場では2024年に2万5000尾のふ化を目指しています。