2024年4月以降を大胆予想! 注目のキーワードは!?

――見通しの「キーワード」は何かということで書いてもらった。

「外国人」「経営改革」「異なる世界」「企業業績」と並んだ。

――まず、「外国人」とあげた、井出さん。引き続き外国人が焦点だと。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
2023年から2024年にかけて日経平均と日本株を引き上げてきたのは結局のところ外国人。2024年の年明けもそうだった。2023年の4月から6月にかけても大きく上昇したとき、結局外国人が7兆円以上日本株を買い越したのが原動力になっている。だからそういう意味でいうと、2024年歴史的な賃上げが2年続いたので。それから企業も週データ日銀短観見るとこの先の価格の見通しが強気。販売価格も仕入れ価格も強い。つまり、本格的なインフレ時代に入る可能性が出てきて、外国人がもう1回注目して買いに来ることがあれば4万2、3千円というのもある。

――日本株は今、売買してる主力が外国人投資家たち。外国人がブームに入ってくると切り上がる。またしばらくしてもう1回切り上がるところの繰り返しだった。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
そういうことがもう1回来るかどうかっていうのが鍵だと思います。

――次のきっかけは何か?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
来るとしたら、ゴールデンウィーク前後に出揃う「今期の業績見通し」今のところまだアナリストの予想だけなので、企業側からどのぐらいのポジティブな数字が出てくるかが鍵になると思う。

――黒瀬さんは「経営改革」。

りそなアセットマネジメント 黒瀬浩一氏:
「外国人が買う」その買う理由は、経済が良くなる、それから日本の政策が良くなってきた、さらに加えて、企業の経営のない加味が良くなるっていうところが大きい。散発的に出てくるがおそらく一巡をしてもですね、株主と経営者の対話っていうのはずっと続いているのでこれはずっと出続けると思う。

――「経営改革」の中で一番のポイントとなるものは何か。

りそなアセットマネジメント 黒瀬浩一氏:
今まではROE・自己資本利益率の向上だけに注力していた。そのために設備投資を削り、人材投資を削り、人件費まで削っていた。でもこれでは成長できないことがはっきりしてきたので、むしろ「今企業がしっかり賃上げやってください」「しっかり人材投資やってください」「しっかり設備投資やってください」ということが出てきた。それに応えていくことが全部不採算事業を切って、採算性の高い事業に向かうという形で良い方向に流れてきてると思う。実際に明確に変わった会社がいくつかある。いわゆるJTC(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)から。明確にこれはアメリカの経営手法ではないかということをやり出す会社が出てきたということだと思う。

――小髙さんは「異なる世界」。

野村証券 小髙貴久氏:
今までの利益に対する株価の評価だけでは、今の株価は説明できないくらい大きな変化が起きている。いろいろな経済の変化で見ると、春闘の歴史的な賃上げであったり、異例の日銀のマイナス金利政策を解除しても、マーケットがそれを受け止めて株価が上昇していたり、「経営改革」が起きている、こういったものをひっくるめて過去の株式市場を見る目線だと評価できなかったものが、意外とそれが受け入れられるようになってきた。日本だと「異なる世界」なのかもしれないが。それが今は世界標準に日本が入って、それが普通の世界になっているという点では「異なる世界」ではなくて、通常の世界なのかもしれないですけれども、過去の日本にとってみると「異なる世界」に入っているということだと思う。

――アメリカは現実の経済に比べて株価が割高すぎると言われている。そういうことが日本に起きてもおかしくない?

野村証券 小髙貴久氏:
アメリカの株価が私はあまり割高だとは思っていない。テクノロジーを中心に収益性の高い企業は、けん引しているのにどうしても評価は高くなっているということだと思うんです。日本についてもそういった企業がどんどん出てきていて、ものすごく低く評価されていた企業が経営改革に伴って普通の会社になるだけでも大きな評価軸の変化だと思うので、そういったことが今の株式市場の株価に反映されているんだと思う。

――資本市場もいよいよ世界標準に日本はなってきているっていうことか。次は、山口さんの「企業業績」。

SMBC信託銀行 山口真弘氏:
まさにど真ん中というお話。これまで企業業績に対する期待が高まって、株が上がって、決算発表でそれが裏付けられて、よかったねという形でどんどん上がって来たというのがこれまでの相場。この流れがまだ続くと思っている。今の米国株も私は割高ではないと思っている。その裏付けというのは業績の成長への期待が織り込まれてるということ。期待に対して答え合わせを決算発表ごとにしていくっていう相場になると思うので、この先は業績が期待を上回るかどうか、これが非常に重要。

――今の日本の株高はある程度期待を織り込んでるわけだから、それを確認する作業がまずあって、それがよければさらに上に行けると。

SMBC信託銀行 山口真弘氏:
そうですね、そういうことだと思います。

(BS-TBS『Bizスクエア』 4月6日放送より)