「知事は激励のために他のものをおとしめている」

ホラン千秋キャスター:
知事としてはさまざまな言い分があるようですが、今回の件、そして辞職までの流れについて、萩谷さんどうでしょう。

萩谷麻衣子 弁護士:
この件で、「不十分な言葉で人の心を傷つけた」と言っていたようですけれども、「不十分な」というのは誤解を与えるような…。

ですから、自分の言葉は決してそういう文脈で言ったことではないけれども、そう捉えられないような言葉を使ってしまったと知事は言っているのであって、本当の意味で「これが差別発言で申し訳ない」と認識したうえで謝罪したのではないということが、この言葉からもよくわかると思います。

また、「私も傷ついた」と最後に言っていましたよね。この方の過去の言葉をみると、目の前の人を激励しようという意図はわかるんです。

ただ、その激励のために、他の比較するものをおとしめて、持ち上げようとする。そのこと自体が差別だということに気づいていないのだということが、よくわかると思います。

井上貴博キャスター:
あとは、選挙も圧勝してきましたが、多選の弊害も少しあるのかな、というのは一般論で感じました。緊張感がなくなってしまうというか。

いずれにしても、これでリニア問題が大きなターニングポイントに来た。静岡の利益ではなくて、国の利益、世界の利益でどう考えるのか。

もちろん水資源や環境問題は大変重要ですので、静岡の皆さんもそこは関心がありますが、後任がどうなるかですね。

萩谷麻衣子 弁護士:
後任の知事の方の考え方でリニア問題が進むのか、あるいは停滞するのかというところに影響が来ると思いますが、川勝知事はリニアの件について反対の風呂敷を広げすぎて、振り上げた拳を下ろせなくなっているところだったのかな、というのは感じます。