長崎で「貿易しよう」という会社が少ない

“輸入港”として長崎港がなかなか選ばれないなか、長崎港活性化センターでは “輸出”で利用してもらおうと20年前から助成制度を設け、県内企業への呼びかけを続けています。

吉田 事務局長:
「大きな輸出・輸入っていうのに繋がるような産業、次の産業が生まれないかなとは思っているんですけども『そうなったときにはぜひ長崎港を使ってください』というようなセールスをずっと続けてはいますね」

【住】直行便がプサン航路のみに限られていることに加えて、県内では『コンテナを使って貿易しよう』という企業が少ないことも課題になっているんですね。

【平】長崎港とプサン港の直行便は、現在、週2便のみで、決して多いとは言えないのが現状です。長崎港活性化センターでは、今年の夏にセミナーを開催予定で、企業からの貿易に関する相談に応じる予定です。

【住】船舶貨物の仕事は多岐にわたりますから、貨物の増加も長崎の活性化につながりそうですね。

【平】長崎港に出入りする船が増えれば、荷役や通関といった仕事のほか、陸上輸送の仕事なども増えます。さらに長崎には造船所が多いですから修繕にも期待できるかもしれません。もちろん、荷物の増加に対応する港の設備や道路整備といったインフラ整備は必要です。

1571年の開港以降、海外との交易により繁栄してきた長崎港です。出島は鎖国時代の唯一の西洋への窓口であり、西洋文化だけでなく、運び込まれた物資も日本に大きな影響を与えました。明治以降も最重要港湾に指定されていた長崎港ですからアジアに近いというメリットを活かし、現代の「出島」として貨物の増加にも期待したいところです。