「使用済みの食用油」などを原料とする「SAF」が注目されています。

脱炭素の切り札「SAF」とは

「SAF(サフ)」とは、「持続可能な航空燃料」のこと。Sustainable Aviation Fuelの頭文字をとったものです。
従来のジェット燃料は原油から精製されていますが、SAFは廃油・サトウキビ・都市ごみ・廃プラスチックを用いて生産されます。
SAFは化石燃料に比べ、二酸化炭素の排出を最大8割削減できるため、使用済み油の新たな活用方法として期待が高まっています。

このSAFについて新たな取り組みがあります。
大手焼肉チェーン「焼肉きんぐ」などを展開している物語コーポレーションとENEOSがタッグを組み、使用済み油の再利用で連携することを発表しました。
店舗でフライドポテトやたこ焼きなどを作った使用済みの油、年間約380トンを回収してSAFにリサイクルするということです。

弁護士 八代英輝:
一時期飛行機は化石燃料を多く使うということで‟飛び恥”などと厳しい目を向けられたこともあったんですけども、SDGs的なことを目指していこうということで、航空燃料の10%程度をSAFで賄おうという国内の目標もあります。
こういった動きを私達も応援していきたいと思います。

コメンテーター 山之内すず:
今日初めてSAFという言葉を覚えたので、これがどういうふうに広がっていくのか楽しみです。今まで捨てるしかなかったものが再利用できるというのは、もっといろいろなもので増えていくと思う。ちゃんと目を光らせて確認しないと置いていかれちゃう。

コメンテーター 渡辺満里奈:
SAFを使っている航空会社を私達が選ぶというのも大切かなと思います。広がっていくといいと思います。

使用済み油 回収促進の動き

SAF推進の取り組みとして、東京都は『油で空飛ぶ大作戦』を3月24日に発表。
日揮ホールディングスやコスモ石油などと連携し、調理で使い終わった食用油の回収を進めるキャンペーンを行うとしています。

すでに取り組みを始めている企業や自治体もあります。
三菱UFJ銀行は3月27日、日揮ホールディングスと連携し、全国の社員食堂で使い終わった食用油をSAFの原料として供給すると発表。

川崎市では2007年から市民団体が「かわさきかえるプロジェクト」として約150か所に回収拠点を設置。これまではせっけんなどにリサイクルしていましたが、今後はSAFへの活用も視野に入れています。