「こうやって、みんなのこと見てるからね」

打席に入るイチローさんに釘付けになる選手たち
フリーバッティングでは自ら打席に立ち、打球を次々にスタンドに放り込むイチローさん。その姿に、選手たちは驚きと感嘆の声を上げます。

イチローさん:
(今の打球は)ポール側に切れていったけどあれが真っすぐ行くと僕は形がオーケー。あれがフックしている間は、僕の形はまだ出来ていない。


自身の感覚を惜しげもなく伝えるイチローさんと、その言葉を聞き逃すまいと必死にメモを取る選手たち。

メモをとる選手たち
イチローさん:
もうバテてきている。でも、ここから形を崩さずに振る練習が大事なんです。疲れたからといって楽な形にならないように。すごく大事なこと。

フリーバッティングを披露するイチローさん
「どんな条件でも一発入れないと練習を終われない」というのがイチローさんのマイルール。

最後に、“自分の形”で、スタンドインさせたイチローさんは「終了!!」とガッツポーズ。選手たちからも拍手が送られ、暖かい雰囲気で練習を終えました。

スタンドインし、ガッツポーズするイチローさん
イチローさん:
フリーバッティングで使ってたバット置いていきます、これ。僕に見られている感じするでしょ。こうやって見てるからね、みんなのこと。(長尾)監督のことも見てますよ。

フリーバッティングで使用したバットをプレゼント

「僕、純粋だから。趣味は野球」

興奮冷めやらぬ練習後のバスの車中。イチローさんにアドバイスを求めていた1年生の江西選手は・・・。
 
練習後のバスの車内

江西選手:
イチローさんに少しでも近づけるような技術力とか、生活をもっとこれから見直していければいいなと思いました。

長尾監督:
恩返しはプレーで返す、それだけです。優勝、それは香川県ではなくて甲子園で優勝。それだけ目指して頑張りましょう!!

(選手・マネージャー全員、大きく力強い拍手)

高校生たちに本気で向き合ったイチローさんは、3校の指導を終え、こう語りました。

イチローさん
「あんなに純粋に喜んでくれたら、そりゃあ応えたくなるよね。僕、純粋だから。その、野球に対してね、純粋なんで。でもまぁ一緒にやることが大事。何よりもそれはよくわかったので。・・・まあどうなったって『趣味・野球』になるよね。『なにやっているですか』って聞かれたときに『あれ、俺何やってるかな・・・あっ野球やってるわ』って、最近よく思うんですよ。野球にハマってるっていう、変な感じだけどね」

(追記)高松商業は2022年、3大会連続22回目となる夏の甲子園出場を決めた。