新潟県内でSNSを悪用した詐欺が増え、去年1年間の被害総額は特殊詐欺の被害額を超えました。その中でも急増しているのが「SNS型投資詐欺」です。
「FX投資をやっている」「取引所の口座を開設した方がいい…」こんな言葉に誘惑され、1月から2月にかけて金をだまし取られたと下越地方に住む60代の男性が新発田署に届け出ました。

その額およそ2770万円。「SNS型投資詐欺」でした。

「SNS型投資詐欺」とはどのようなものなのでしょうか。新潟県警の組織犯罪対策課 藤山大祐 次長に聞きました。
【組織犯罪対策課 藤山大祐 次長】「SNSを通じて対面することなく信頼させ虚偽の利益を表示するなどして投資をすすめ投資名目で現金等をだまし取るものです」

まず、SNSに表示された偽の広告を入り口にLINEなどのチャットグループに招待されます。その後、投資アプリのインストールをすすめられインストールした上で指定された口座に金を振り込むと、だまし取られるというものです。

日経平均株価がおよそ34年ぶりに史上最高値を更新し株式投資に熱い視線が送られる中、そこにつけこんだ巧妙な詐欺が増えているのです。

警察によりますと去年1年間、県内で発生したSNS型投資詐欺の認知件数は20件。被害総額はおよそ3億1100万円で1件あたりの被害額が多いのが特徴です。

同じSNSを悪用し恋愛感情や親近感を抱かせて現金などをだまし取るロマンス詐欺の被害を合わせると、電話を使った架空料金請求詐欺と還付金詐欺など、特殊詐欺の被害総額を上回ります。

SNSを使った詐欺被害が増えている要因について藤山次長は…
【組織犯罪対策課 藤山大祐 次長】「SNSやインターネット上で投資できる環境が広がっていることや投資への関心が高まっていること。犯人と被害者がネット空間で繋がり第三者の介入する余地がないこと」

SNSの広告以外にチャットでも注意が必要です。BSNの記者のもとに突然送られてきた「株をプレゼント」という文字とURL。これを見てもらうと…
【記者】「クリックしても大丈夫?」
【組織犯罪対策課 藤山大祐 次長】「クリックはしないでください!SNS型の投資詐欺に導入されたり個人情報を盗まれる可能性があります」

SNSでは「疑うこと」が重要だと話します。
【組織犯罪対策課 藤山大祐 次長】「SNSで知り合った人から投資を持ちかけられたら詐欺を疑ってください。一般的に投資に関する儲け話で指示通りにするだけなどと詳しい内容を説明しなかったり、高額な手数料を追加で要求することはありません」

SNSを悪用し、対面することなく現金などを奪い取る投資詐欺やロマンス詐欺。警察は怪しいと感じた場合には、すぐに家族や友人に相談してほしいと呼びかけています。