新型コロナの感染者数が増えるだけでなく、病床使用率も60%を超えていて、病床のひっ迫が懸念されています。鹿児島県内の医療現場は今どうなっているのか?取材しました。
27日、鹿児島市立病院の新型コロナ病棟です。時折、幼い子どもの泣き声が聞こえてきます。
(記者)「以前は高齢者の入院が中心でしたが、今は子どもや妊婦など若い人の入院が増えているといいます」
鹿児島市立病院のコロナ病床は全部で20床。現在、重症者はいませんが、軽症・中等症の患者を受け入れる18床は、県内で感染が急拡大し始めた今月中旬以降、満床になる日も出ています。
県によりますと、県内の新型コロナ病床の使用率は、今月に入って上昇が続き、24日に今年初めて60%台に。県の警戒基準は現在、レベル2ですが、レベル3相当の50%を上回る状況が続いています。
(楠生医師)
「感染者3000人でもびっくりするのに、場合によってはまだ増えていく可能性は十分ある」
危機感を示すのは、感染症が専門の楠生亮医師です。病床のひっ迫が懸念される中、医療現場を支えるスタッフにも感染者が出始めているといいます。
(楠生医師)
「勤務する職員のやりくりはすごく大変。(家庭内感染で)濃厚接触者になる職員が出るなど、いくら病院の中で一生懸命(感染対策を)頑張っていても、限界に到達する可能性は出てくる」
医療スタッフにも広がる感染。背景にあるのが、従来のオミクロン株の亜種で、感染力が強いとされる「BA.5」の拡大です。特に若い世代の感染が多く、今月、鹿児島市立病院に入院したコロナ患者のうち、40歳未満が7〜8割を占めているといいます。
若い世代は一般的に重症化しづらいと言われますが、楠生医師は「必ずしもそうとは言えない」と強調します。
(楠生医師)
「若い人は軽症の人がすごく多い。ただ、重症になることがないわけではない。非常にまれだが、心臓の筋肉を(ウイルスで)痛める『心筋炎』。命に関わる症状になることも。安易に若いから大丈夫と思わないでほしい」
患者の増加を食い止める鍵とも言える若い世代の感染対策。楠生医師は、ひっ迫するおそれのある医療現場と、身の周りの人たちの命を守るためにも、若い世代への感染対策の徹底を呼びかけます。
(楠生医師)
「家族、特におじいちゃん・おばあちゃん、友人など、他の人たちに感染させて、もしその人が重症になると『しまった』と思うことになる。きちんと感染対策をして、ワクチンも含めて考える必要があると思う」
県内の病床使用率は60%を超えてレベル3相当となっていますが、重症者は少ないため、県は「ただちにレベル3への引き上げは考えておらず、今後の推移を警戒感をもって見ていきたい」としています。
ただ、病床数確保のためのフェーズについては、県は27日、最高の「緊急フェーズ」に引き上げ、現在の565床から661床に増やすことを決めました。
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