森友学園をめぐり自殺した財務省の元職員。その妻が7月27日の裁判で安倍晋三元総理の銃撃事件に初めて言及しました。
財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)は森友学園への国有地売却をめぐる公文書の改ざんを命じられたことを苦に命を絶ちました。妻の雅子さんは当時の理財局長・佐川宣寿氏を相手取り、1650万円の損害賠償を求めて争っています。
7月27日の裁判では雅子さんの本人尋問が行われました。元々明るい性格だったという夫・俊夫さんが改ざんによってみるみる元気を無くしていった様子などを時折声を震わせながら答えました。
【本人尋問でのやり取り内容】
(弁護士)「亡くなった日の朝の俊夫さんの様子は?」
(妻・雅子さん)「外出する私を玄関まで送りに来てくれて、『ありがとう』と言ったんです。こんなことを言うのは、死のうとしているんだと」
(弁護士)「家に帰って亡くなった俊夫さんを見つけた時、救急ではなく警察を呼んだのはなぜですか?」
(妻・雅子さん)「佐川さんに夫を殺されたと思ったからです」
財務省などによれば、公文書改ざんの発端は、当時の安倍晋三総理の次の発言だとされています。
(安倍晋三総理(当時) 2017年)
「私や妻が関係していたということになれば、これはもう総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」
7月27日の法廷で雅子さんは最後に安倍元総理について触れ、次のように話しました。
(赤木雅子さん)
「元々国会で発言されたことが原因で改ざんが始まったと思います。黒い疑惑のまま国葬されるのは本人も望んでいないと思います」
7月27日で裁判は結審となりました。妻・雅子さんは次のように話しました。
(赤木雅子さん)
「私は真実が知りたくて裁判を起こしました。でも結局、誰からも佐川さんからも国からも夫が亡くなった改ざんのいきさつについて一言も知ることができなかった。それが残念でたまらないです」
安倍元総理の事件について公の場で話すのは初めての事。それについて雅子さんは次のように話しました。
(赤木雅子さん)
「黒い疑惑のまま安倍さんが国葬されてしまうと、まるで良い事しかしていないようなそういうイメージを抱くと思うんですね。でもそうじゃないんです。夫の死に関わることです。(安倍)昭恵さんは絶対に知っていることを私に伝えるべきだと思います」
判決は11月25日に言い渡される予定です。
注目の記事
【ミセス】「モヤモヤ」する青春が今のキラキラを作った—Mrs. GREEN APPLE 藤澤涼架が母校を訪ねて語った「原点」 【前編】

日本初の定着を確認 メスだけで “クローン増殖” する特定外来生物の生息地が拡大中

自転車で直進したいのに…交差点の一番左が「左折レーン」 どう通行すればいい? 警察に聞く「2つの方法」

コメが倉庫の天井近くまで山積みに… 「コメが余って売れない」 「年明け以降は価格下がる」 国の政策に振り回されたコメ業界

急増するパキスタン人に相次ぐ攻撃…ロケット花火やバット「嘘だと思われる」ユーチューバーへの取材で見えた目的と誤情報 地域社会での共生に深い影

1着15万円のスーツで「SASUKE」完全制覇へ 愛媛銀行・宮岡良丞さん(32)、孤高の挑戦

「逆にお聞きしますが、僕がパクられた時に京アニは何か感じたんでしょうか」言い返す青葉被告を裁判長が制止した 遺族がはじめて被告人質問に立つ【ドキュメント京アニ裁判⑪】

「投資用物件とフラット35」で相次ぐトラブル…住宅ローン4000万円『一括返済』求められ「絶望」勧めた不動産会社Xに取材を申し込むと

幼少期に性被害「ずっと自分を殺したかった」加害繰り返した男性「反抗しない子どもに…」当事者たちの証言【MBSドキュメンタリー映像‘23】

「お金ないし誰の子どもかわからない」路上で赤ちゃん出産…傍聴から見えた女の半生「風俗店勤務でホテル転々…給料の大半はホスト通いに」「過去12回の出産」「妊娠を相談する人がいなかった」





