「ラフ画を使って勝手に作成」生成AIが著作権侵害

急速なスピードで進化するAI。一方で深刻な課題も…絵本作家の松本えつをさん。キャラクターデザインや、出版物のプロデュースなども手掛けています。
松本さんは徐々に仕事がAIに置き換わりつつある状況を肌で感じています。
絵本作家 松本えつをさん
「ちょっとしたイラストとか、ここに絵があったらなというときに、絵描きさんに発注するという考えだけではなくて『AIで取り急ぎつくろう』とか『有りものを借りようか』という判断されることによって仕事の幅は狭まる」
さらに不安だと話すのが、AIによる著作権の侵害です。生成AIが著作物を無断で学習し、似せた作品を作り出すケースが確認されているからです。

絵本作家 松本えつをさん
「学習された対象が私の作品で『あなたの絵、これに似てるね』って言われたら何も言えないですよね」
「私の(作品)を学習した証拠がない。証拠を出せないと多分訴えることができない。どうしようもないと考えるとめちゃくちゃ怖いです」
海外の生成AIの訴訟に詳しい高橋尚吾さんは、これまでイラストレーターら300人以上から被害相談を受けてきました。中には下書きをAIで勝手に完成させられたという被害も…。

生成AI問題に詳しい 高橋尚吾さん
「ラフ画(下書き)の提出を求められて、出した後に『今回依頼はなしだ』と言われた。後から見ると、明らかにラフ画を使って生成AIで出力させたものを業務で使われていた」
「作家さんが望んでいた完成形ではないし、正当な対価も受けられない」