続く物価高に対し、総理は「カギになるのは物価高に負けない賃上げ」と発言しました。私たちの家計にも影響を与える、物流の2024年問題について解説していきます。
物価高が長期化の恐れ 賃上げの波は中小企業にも?

加藤シルビアキャスター:
3月22日、岸田総理は、日本商工会議所の会合に出席し、「30年ぶりの水準となった設備投資や賃上げなど、明るい兆しが確実にでてきている。カギとなるのは、物価高に負けない賃上げ」とコメントしています。
一方SNSでは、「止まらない物価高、雀の涙の賃上げ」、「値上げは理解するから、その分給料あげて」、「物価高、賃上げも無く、本当に疲弊しています」といった声があがっています。
日比麻音子キャスター:
この賃上げについて、どのようにご覧になっていますか。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
大企業は春闘によって、歴史的な水準で賃金が上がっていますが、これは中小企業などの下請け企業の犠牲の上で成り立ってる可能性もあります。その場合、中小企業はますます苦しくなるという最悪のケースもありえます。
そうなると、景気回復の流れに水を差してしまうので、賃上げの流れを中小企業にどう広げていくかが大事だと思います。
井上貴博キャスター:
もう一つ鍵になるのは「個人消費がどこまで増えるのか」だと思います。
東京大学 斎藤 准教授:
約4割を占める非正規労働者の給料が上がらない限り、個人消費は増えないと考えています。
賃金は自動的には上がらないので、やはり労働組合を通じて闘争するしかないのですが、中小企業の労働組合の組織率はかなり低いです。
しかし最近は、労働者が1人でも加盟できる社外の労働組合「ユニオン」というものもあります。このような新しい労働組合の形もあるので、そこに相談するのも一つの方法だと思います。