国内で感染の確認が相次いでいる「はしか」。
ライブや舞台の観客が後日はしかの陽性と診断されたケースもあり、来場者は自身の体調に気を付けるよう、注意が呼びかけられています。
実際に「はしか」にかかると、どのような経過をたどるのでしょうか。
日本医科大学の北村義浩特任教授に聞きました。
1人から12人以上に 「非常に高い」感染力
「はしか」は、はしかウイルスによって引き起こされる全身の感染症で、段階的に症状が進みます。
▼10日~12日間の潜伏期間
▼目の充血・目やに・咳・鼻水・発熱が2日~4日ほど続く
▼39℃以上の高熱が出て、全身に発疹が出る
重篤な場合には肺炎、中耳炎、脳炎など合併症を発症して1000人に1人の割合で死亡。
妊娠中は特に注意が必要で、感染すると流産や早産を引き起こすおそれもあります。
感染経路は▼空気感染▼飛沫感染▼接触感染で、感染力は「非常に高い」といわれています。
免疫を持っていない集団に1人感染者がいた場合、
インフルエンザは1人→1〜2人へ感染するのに対し、はしかは1人→12〜14人に感染するおそれがあります。

日本医科大学特任教授の北村教授は、「発症の前でも人に感染させる力があるので、注意しなければいけない」といいます。
日本医科大学特任教授 北村義浩氏:
一般的な他の感染症に比べると潜伏期間が長くて、例えばコンサートに行ったとしても、参加したことも忘れているような頃に熱が出たり目が充血したりしてくる。
目が充血して涙が出て鼻水も出て、映画に行ってラストシーンで感動してボロボロ泣いてるようなあの状態で発熱しているという感じですね。
炎症が強すぎて止めようと思っても止まらないです。
ところがその熱は、一旦ちょっと下がるんですね。でも「もう治ったな」と外に出ちゃ駄目なんです。
半日から1日熱が下がるんですけど、その後またドンと熱が出て、今度は体中、特に頭や顔から発疹が広がり始めて5日から1週間ぐらい続く。
熱が一番最初に出始めてから全部で2週間近くかかるかなり強い病気です。
恵俊彰:
発症する前から人に感染させる力があるのは怖いですね。
北村義浩特任教授:
マイナス1日、発熱する前日くらいから、もう人にウイルスをうつす力があって、発疹が出る前のちょっと一旦熱が下がるあたりが実はすごくウイルスが広がりやすい。
発疹が出てからは(うつすのは)3日ぐらいではないかと言われています。
恵俊彰:
感染した人も心配だし、看病している人もそれだけ感染力があったら大変だ。小さい子どもだって親がみるしかないじゃないですか。
北村特任教授:
ですから第2子、代3子を妊娠されているような方は、免疫がもし無いと大変困ったことが起こるんですよね。早産あるいは流産になりやすいということもありますので、これから妊娠を予定する方で免疫が心配な方は、抗体を調べた方がいいと思います。