国内で麻しん(はしか)の感染が相次いでいます。強い感染力が特徴で、予防法は 「ワクチンを2回打つ」しかありません。福岡県医師会は先週の会見で「母子手帳を確認する」か「当時住んでいた自治体に問い合わせ、 接種歴を確認してほしい」と呼びかけました。しかし、 福岡県内の全60自治体を調査すると、自治体によって対応が異なることが分かりました(文末に全市町村の情報を掲載)。

◆妊婦がかかれば3~4割が流産

RKB本田奈也花「福岡市南区の小児クリニックでは、はしかの予防接種の予約が増えているということです」
母親「流行っているし、早めに打った。保育園にも通っているので、早めに受診した」

国立感染症研究所は3月13日、2024年に入り「はしか」の感染者数が11人になったと発表しました。福岡県の感染報告はありませんでしたが、全国で感染が広がっています。はしかは、どのような病気なのでしょうか。

やない小児科クリニック 梁井信司院長「重症の病気だと知っておくべき病気。普通にかかったら500人に1人くらい死にます。肺炎や脳炎になったり、妊婦なら3~4割が流産したり、合併症も多い病気」

◆感染力はインフルエンザの約10倍

はしかは、せきや鼻水など風邪のような症状を引き起こした後、高熱が出て全身に発しんが広がります。

やない小児科クリニック 梁井信司院長「最初、ちょっと熱があるとか鼻水がある状態では、自分がはしかかどうかは分からない。それでウロウロする時に人にすぐうつします」

特に注意が必要なのは乳児だと言います。

やない小児科クリニック 梁井信司院長「赤ちゃんの時にはしかになって、5~10年経って小学生くらいで起こる脳炎は、致死率100%。昨日まで元気にしていた子供が、だんだん運動や計算ができなくなって、半年くらいで進行して死ぬような亜急性の脳炎など恐ろしい病気」

空気感染が主な感染経路で、感染力はインフルエンザの約10倍と言われています。病気に対する免疫がない集団の中で、発症者1人が他人に感染させる人数が、インフルエンザが1~2人なのに対し、はしかは12~14人なのです。治療薬はないうえ、ウイルスの粒子が小さいため、手洗いやマスクでの予防ができない病気です。

2007年5月、私立博多高校で13人がはしかに感染し、約1週間の学級閉鎖となりました。また、翌6月には九州産業大学の学生2人もはしかを発症。1週間の休講を余儀なくされ、約1万2000人の学生と、周辺地域の経済などに影響が出ました。

◆感染拡大を防ぐためには?

年代別はしかのワクチン接種状況

やない小児科クリニック 梁井信司院長「絶対に必要なのがワクチンですね」

はしかのワクチン、実は世代によって接種した回数が異なります。23歳以下は2回の接種を終えている人が多いですが、51歳~23歳の人は1回の接種、51歳以上の人は「未接種」の可能性もあり、ばらつきがある状況です。

はしかのワクチンは大人でも打つことができるため、梁井院長は2回の接種を薦めています。

やない小児科クリニック 梁井信司院長「はしかのワクチンは、2回受ければ97~98%の感染を防ぐ力があるが、1回だけだと、大体9割ぐらい。1回しか受けてない人の10人に1人はかかります。かかってひどくなる人もいれば、ワクチンで若干抵抗力があれば修飾麻しんと言って、軽く済むこともある。ただ軽いからといっても、周りの人にはうつします。そこで広まっていったりするので、1回しか受けていない人は、2度目を受けた方がいい」

ところで、自分が何回はしかのワクチンを打ったのか、知っていますか?
「大昔だからわからない」

Q.自宅に母子手帳はある?
「ないと思う。覚えていないよね、多分受けたと思うが、覚えていない」

接種歴について、福岡県医師会は13日の会見で「自身の母子手帳を確認するか、自治体に問い合わせて確認してほしい」と呼びかけました。