香港の民主活動家・周庭さんが、事実上の亡命を宣言したカナダでJNNの単独インタビューに応じました。「自由な香港ではない」と、強まる言論統制の動きに危機感をにじませました。
笑顔でカメラの前に現れた周庭さん(27)。現在、カナダのトロントで暮らしています。
「雨傘運動」などの中心メンバーだった周庭さんは2020年、違法な集会を扇動したとして禁錮10か月の有罪判決を受けました。出所後も定期的な出頭を求められていましたが、応じない周庭さんを香港警察は指名手配。「全力で逮捕する」と表明しています。
いま、どのような生活を送っているのでしょうか。
周庭さん
「私は自由を求めるためにカナダに来たので、自分のやりたいことをたくさんやっていきたいという気持ちで遊んだり、生活したりしています。(Q.監視・盗聴の可能性もあるが?)それは正直分からないですね。常に注意というか警戒しています」
香港で生活する両親や友人たちと連絡が取れているのか聞いてみると…
周庭さん
「ノーコメントです。香港にいる人についてはノーコメントです」
周庭さんが亡命を決意した理由の一つに、「言論の自由」をめぐる香港の厳しい状況があります。2020年に施行された「国家安全維持法」により、香港ではすでに反政府的な言動が禁じられています。
さらに…
中国外務省 汪文斌 報道官
「私たちは完全に支持する。これは香港社会の普遍的期待でもある」
「国家安全維持法」を補完し、反逆や反乱の煽動などの取り締まりを強化する「国家安全条例」が、早ければ来月にも成立する可能性があるのです。これにより、言論統制がさらに進むと周庭さんは考えています。
周庭さん
「誰も自分の意見を言わなくなりました。結局、犯罪かどうか、逮捕されるかどうかは香港政府次第です。それが一番危ないこと。自由な香港ではないですね。『香港に帰りたいですか』とたまに聞かれますが、正直、いまは帰りたいという気持ちは全くなくて、悲しいです。悲しみしかないですね」
周庭さんは“日本人を含めた外国人も処罰の対象になりうる”として、「香港で起きていることに注目してほしい」と訴えています。
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