去年11月に鹿児島県の屋久島沖で墜落したオスプレイ。その後アメリカ軍は事故原因の調査のために全世界のオスプレイの運用を停止しました。しかしアメリカ軍は今月8日、「安全な運用再開のための措置を行った」などとして、飛行停止の措置を解除しオスプレイの飛行を許可すると発表。

14日に飛行再開したオスプレイ

その6日後のきょう14日、およそ3か月ぶりに飛行が再開されました。

飛行は再開されたものの、アメリカ軍は事故原因について明らかにしておらず、県や関係自治体からは「不安が払しょくできない」と遺憾の意を示しています。こうした政府やアメリカ軍の対応について軍事ジャーナリストの半田滋さんは「信用できない」と話します。

Q飛行再開についての考えは?
軍事ジャーナリスト 半田滋さん
「先日、米側が『飛行停止を解除する』と防衛省に伝え、防衛省側からの発表がありましたよね。ただし本来であれば、飛行再開するために必要なのは事故原因の特定と再発防止策は同時に発表しないといけないはずなんです」

県に説明に訪れる防衛局職員

「ところが実際には、防衛省は『前例のないレベルで詳細な説明を受けた』と言うものの(事故原因は)“特定の部品の不具合”としか沖縄県に伝えてない。一体、“特定の部品”というのはどこで、“不具合”というのは何なんだということは全くわからない。正直、防衛省は米側から、本当に具体的な説明を受けた上で、沖縄県や宜野湾市など地元に伝えてるのかという、そこがまず信用できない」

地元の県や自治体が置き去りになっている現状。情報がきちんと公開されない中での飛行再開は前例がないと指摘します。

「本当に細かいことを日本政府も米政府も知っているのであれば、少なくとも“どこの不具合なんだ”と、ざっくりと“どんな問題があったのか”ということぐらいは伝えてもらわないといけないし、それに対する『再発防止策っていうのはこうやりました』と、そこも伝えてもらわないといけない」

「それらは一切抜け落ちて『とにかく飛ばします』と。『日米の間ではそれで両政府が合意してます』と、要するに本当にそれが安全かどうかというのを私達は知るすべがなく、非常に国民の安全をないがしろにしたやり方。これほどいい加減な形での飛行再開というのは前例がないかと思います」

鹿児島で事故を起こしたオスプレイ

Q米軍の飛行再開に向けた「安全対策」をどう見ている?
「そもそも“特定の部品の不具合”そのものについて説明がないわけですから、そこに対して『安全対策をした』と言われても我々は判断のしようがない。沖縄県や宜野湾市にしてもみんな『一体何なんだろう』という雲をつかむような話になっていると思います」