欧米では規制の動きも 「犯罪起きたらプラットフォーム側が損をする仕組みを」
藤森祥平キャスター:
待ったなしで何とかしなければいけないこの問題。

ITジャーナリストの星さんのお話では、私たちがよく利用するFacebookやInstagram、X、TikTok、LINE、Googleなどデジタルプラットフォーム側の考え方としては、自由にビジネスをさせたい。彼らは情報を流しているだけで、情報の中身に手を加えることはよくないという考え方があるそうで、結果としてこうした対応に乗り出すことに消極的になってしまうと見ています。
ただ世界を見てみると、こうしたプラットフォーム側へ厳しい目が注がれています。

アメリカでは、SNSの利用で子どもが性被害を受けた画像が拡散され、自殺に追い込まれるというケースが相次ぎました。これを受け、今年の1月にFacebookを運営するMetaのザッカーバーグCEOらが議会の公聴会に呼ばれ、謝罪をするという形になりました。

またEUでは、大手プラットフォーム事業者に対して規制を設けています。2022年に施行されたデジタルサービス法は、違法コンテンツに対して排除や対応を義務付けるものになります。
これに違反すると、最大でそれぞれ世界の売上高の6%に制裁金を課すということで、世界はもう既に動き始めています。
小川彩佳キャスター:
少しずつ欧米では規制の動きも出てきているというわけですけれども、このプラットフォーム側の責任をどう考えますか。
日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
多分、世界で初めて車が発明されて道路が整備された20世紀の頭と同じような状況なんです。移動がすごく便利になって、みんなが自由に車に乗ることで事故が多発して、多分最初は車や道路を作った側は「責任ない」って言っていたと思うんです。
しかし、100年経ってみると多額の投資をして、ご存知の通り信号ができて、免許ができて、そして車の安全装置をつけなくてはいけない、と。

このように物事が動かざるを得ません。つまり、今のように自由だと被害が起き続けるので、規制はしなきゃいけない。ただ、規制だけだと窮屈だというのであれば、「犯罪利用でプラットフォーム側も損をする仕組みを」することもぜひ考えた方がいい。
つまり自動車事故が起きると、もちろん法律違反になるのだけれども、車会社側も欠陥車で事故が起きると訴えられて、お金を払わなきゃいけない。
他の例では、クレジットカードが不正利用されると持ち主ではなく、クレジットカード会社側が盗まれたクレジットカードの不正利用の負担をします。

同じように、プラットフォーム側がこういう詐欺などで出た被害について一定額負担するという仕組みを作ると、お金をケチらずにもっと真面目に対策をするようになる。
法律で取り締まる、取り締まるのは嫌だのイタチごっこではなくて、犯罪が起きると、プラットフォーム側が損をしますという状況に持ち込むことによって、ようやく尻に火がつくんじゃないでしょうか?新しいルールを作らなきゃいけない時期だと思います。














