アメリカ軍の駆逐艦1隻が11日午前、民間の石垣港に初めて寄港しました。乗組員の保養などが目的だとしています。

3月11日午前9時ごろ、石垣港の沖合に姿を見せたアメリカ海軍のミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」。

上江洲記者
「アメリカ軍の駆逐艦ラファエルペラルタ、そのすぐ隣には一般の船が航行していますがその差からも大きさは一目瞭然です」

全長155メートルあまりのこの駆逐艦は石垣港への着岸が困難で、当初市側は「入港不可」と回答しました。

このためアメリカ軍は駆逐艦を石垣港の沖合に停泊させ、乗組員はボートを使い通常クルーズ船が入港するエリアから上陸しました。

「GO HOME!」

今回寄港した駆逐艦は、敵地攻撃も可能な巡航ミサイル「トマホーク」などを搭載していて、寄港に反対する住民らが抗議の声を上げました。

抗議する住民
「恐怖そのもの。住民を何だと思っている、石ころだと思っているの?と言いたくなる」

台湾有事の抑止を念頭に、強固な日米関係をアピールするための寄港だと指摘する声もあるなか、ラファエル・ペラルタの艦長はそうした意図を否定しました。

「ラファエル・ペラルタ」艦長 スティーブン・ザクタ中佐
「今回の石垣への寄港には、台湾有事を見据えた意図は一切ない。あくまでもラファエルペラルタの西アジアでの巡回における寄港先のひとつであり、乗組員の保養などを目的としている」

一方、民間の港を軍の艦船が使用することに対し、貨物の積み下ろしなどを担う港湾労働者の組織、全港湾沖縄地方本部は「労働者の安全を守るため」として、午後1時から、石垣港での荷役を拒否するストライキに入りました。

これまで民港の使用の自粛を防衛省に求めてきた玉城知事は。

玉城知事
「どのような形であっても、緊急事態以外は使用を自粛することを守って頂きたい」

ストライキは八重山の組合員、およそ50人で行われていて組合は市の港湾課との話し合いを求めていますが、市が応じる見通しは立っていないということです。