■「日本は戦前、韓国に対し犯した罪がある。その罪を清算するために献金しなければならない」
転機になったのは2012年。不死の存在と信じていた教祖の文氏が死去したニュースを見たときだった。 退会届も出さずに、子どもを連れ、飛行機に飛び乗り帰国した。いま冠木さんは、子どもに入信を強制しようとする母親から、隠れるように暮らしている。
冠木さん
「誰にも助けてもらえなかったし。母親もまだカルトだし。どこに、誰に相談していいのかも分からなかったし。踏切で、『いのちの電話』っていうのが看板に出ていたんですよね。そこに電話して、自己破産の方法だとか、やっと自分の悩みを話せた」
冠木さんの母親は、父親の死亡保険金など、1000万円以上献金していたという。冠木さんは、日本の信者の献金が、韓国の旧統一教会の資金源になっていたと語る
冠木さん
「私、韓国にいたときに、『自己破産しました』とか、『献金で生活が苦しくて成り立ちません』という話は聞いたことがない。日本だけだと思います。要するに日本からの献金で韓国は潤っていたんだと思います」
「日本は戦前、韓国に対し犯した罪がある。その罪を清算するために献金しなければならない」そう教え込まれたという。
冠木さん
「日本人は、うら若き乙女を従軍慰安婦として、蹂躙した過去があるから、どんな相手と結婚させられたとしても感謝しなければならないという。いわゆる洗脳ですよね。反日教育を洗脳されてきたので。(教団からすると)それも罪ゆえですよね、日本人の。韓国人は選ばれた民なので」
合同結婚式に参加する費用も、日本人は140万円。韓国人は10分の1の14万円だったという。
旧統一教会・韓国本部でナンバー2だったとされる郭錠煥(カク・ ジョンファン)氏は会見で、「日本の旧統一教会は、韓国への献金を作り出す“経済部隊”だった」と明かした。
世界平和統一家庭連合は、2009年からコンプライアンスを重視し、トラブルが起きないようにしているという。
改めて番組が献金の実態について取材したところ、「祝福(結婚)献金については、途上国からも多数参加しているため、日本人の信徒は、参加者を支援する目的でより多くの献金を捧げています。金額はあくまで目安です。日本は韓国に対して、『経済的貢献をするべき』とか『どこの国より献金をすべき』というような教え・指導はしていません」と回答した。
冠木さん
「今回のことで、政治とのつながりが明らかになったじゃないですか。2世3世が出てきて、また新たな人権侵害・宗教強要されて、もっと問題が大きくなってしまった。 あの当時にちゃんとしていれば、ここまでの悲劇は起こってなかったというのは確かだと思います」
(報道特集 2022年7月23日放送)
※情報提供は番組ホームページまで