6日、京セラドーム大阪で開催された「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2024日本 vs 欧州代表」の試合前に「RAXUS こどもたちの夢応援プロジェクト」の呼びかけによる能登半島地震で被災した小学6年生のバッテリーによる始球式が行われた。

ピッチャーを務めたのは徳野由子さん(とくの・ゆうこ、輪島市立河井小6年/輪島クラブ)。キャッチャーは普段からも親交がある扇瑠花さん(おうぎ・るか、七尾市立山王小6年/七尾山王クラブ)が務めた。

徳野さんは小学校2年生から野球を始め、「輪島クラブ」では男子に混じってエースで4番。被災時に自宅の被害は比較的少なかったが、1月は車中泊で過ごし、自宅に戻れたのは2月上旬だった。断水は3月には終わり、今は電気も水道も通っている。始球式へ向けては「大勢の前で投げるのは緊張するけど皆んなに元気を与えられるように投げたいと思う。(決まった時は)ビックリしました。地元(輪島)の皆さんに元気を与えたいし、応援してくれている人たちに感謝の気持ちを伝えて全力で投げたいと思います。キャッチャーミットのど真ん中に気持ちを込めて投げたい。」とその想いを語っていた。

扇さんは小学校2年生から、父、兄の影響を受けて野球を始め、七尾山王クラブではレフトを守っている。今回は初めて、キャッチャーを務めるため、ミットは父のものを利用するという。両家族揃って向かう道中では「終わったら大阪の街中まわったり、ごはんを一緒に食べに行く」と、徳野さんと共に“めっちゃ楽しみ”にしていた。

始球式直前の投手・徳野さん、捕手・扇さんのバッテリー

いよいよ、試合開始直前のよる7時を迎え、徳野さんはマウンドに、扇さんはホームベース後ろの定位置へ。普段のプレイより長い投球距離やボールが軟式から硬式と変わっている事があるが、二人とも緊張の面持ちで晴れ舞台に立った。打席にはスタメンを外れていた阪神の中野拓夢(27)が入った。

ノーバウンドで投げ込んだ。打席には阪神の中野拓夢(27)

始球式では右上に逸れたが、ノーバウンドで徳野さんから扇さんに想いを乗せた一球が届いた。投球後、二人とも緊張から解放され、バッテリー間で確かめあうように笑顔を覗かせていた。

始球式を終え、笑顔を覗かせた徳野さん・扇さんバッテリー

試合後にその胸中を笑顔のバッテリー二人が話してくれた。