日本国内では、変異株「BA.5」に置き換わりが完了したとみられます。今後注意が必要なのが新型コロナ+αの「ハイブリッド流行」。また、夏場を迎え感染した子どもの「脱水重症化」に注意が必要です。もし「時・人・場所」の認識が低下したら、すぐ救急車を!感染症が専門の関西福祉大学・勝田吉彰教授の解説です。

「コロナ+感染性の病気」同時流行する『ハイブリッド流行』の可能性

ーー新型コロナウイルスが小さいお子さんにも感染が増えているということです。勝田先生によりますと、これからは全世代の問題になるのではと指摘されています。コロナ禍の感染症は『ハイブリッド』コロナプラスアルファが同時に流行することも先生考えられるということなんですね?
「実は今小児科の外来で起こっていること、RSウイルスや感染性の胃腸炎やノロなど様々なものがあります。ですのでそういったものがこれまでの感染対策いわゆるあらゆるウイルスをシャットアウトしていたというところから色々な門戸が開いて入ってくるわけですね。そういう意味合いでつまりコロナプラスアルファまさに『ハイブリッド』という状況がこれから考えられるわけですね」
ーー新型コロナの感染が拡大してから3度目の夏ということになります。これまでコロナ流行中は他の感染症はほとんど流行しなかったということでしたよね?
「インフルエンザが一番象徴的で、2020年、21年にほとんどゼロに近い状況で推移していて、世界的にそうだったんですよね」

ーーしかし今後はプラスアルファの感染症にも注意が必要ということで、インフルエンザ、RSウイルスは国内で流行の兆しが見られるということです。ロタウイルス、ノロウイルスなど様々なものがあります。
「これまでは結局コロナの感染症の数字が出てきて、それを見ながら、マスクなどをして対策をしてくればよかったんだけれども、これからは少し発想を変えないといけないと思うんですね。コロナや他の感染症が一体どんな状況かを見て、マスクなども考えないといけないし、外出についてもも考えなくちゃいけない」

『発熱や咳の症状だけでは判別できない』難しさ

ーー感染対策はこれから変わってくるんですか?
「呼吸器感染については例えばインフル、RSその他の風邪ウイルスも同じです。他の消化器系のウイルスは吐物などそういう物への接触ということもあるんだけれども、違う部分はあっても、共通した部分、手洗い、ここは共通です」

ーー発熱や咳の症状では判別できないというのもちょっと難しいところですね?
「そうですね、まさに今小児科の現場を苦しめているのはそこなんですよね。そしてこれからは小児科だけではない、あらゆる医療現場がこれに戸惑っていくと思われます。