◆映画『ファースト・ピアス』の鮮烈さ

主人公は、退学寸前の女子高生マリア。親友の羊(ヨウ)といる時間が唯一の生きがいです。平日の朝、2人が自転車で学校ではなく、河原に向かいます。少し騒音がうるさい高架下で、学校をサボって話をしているシーンが出てきます。

マリア(河野聖香):本当にそろそろ退学になるんじゃないの、うちら。
羊(佐藤たら):うーん、そうだねー……。退学になったら何する?
マリア:退学になったら?
:うん… うちはねー、映画館でバイトでもしながら、マックでもバイトして、キャバクラもする。
マリア:柄にもなく、現実的じゃん。
:てか、マリアは?
マリア:何が?
:だから、退学したら何したいのって話。
マリア:うちは特に何もないけど……。
:へえー。
マリア:強いて言えば……もっと悪いことする。
:え? (マリアが立ち上がって走り出す)え、待ってよー!

マリアは羊に「もっと悪いこと」をしようと提案しました。学校をサボって街中でうろうろしている高校生の、ある意味キラキラした感じの青春が描かれていますが、実はマリアにはある秘密がありました。