7月21日、2日連続で大阪府では2万人超の新規感染者を記録するなど全国各地で感染者が急増しています。感染拡大の要因の1つとされているオミクロン株の亜種「BA.5」について、新型コロナ患者と向き合う最前線で治療をする葛西医院の小林正宜院長にこれまでの新型コロナ患者と比べた症状の特徴について話を聞きました。フランス公衆衛生局のまとめによりますと、「BA.5」に感染した人の半数以上の人が『けん怠感』『せき』などの症状がでていて、「BA.1」と比べると味覚・嗅覚異常の症状を訴えている人の割合が多いということです。

BA.5は特徴が無いのが特徴?「症状や年齢層が一定しない」

―――訪問診療の回数は増えていますか。

 (小林正宜院長)
 「そうですね。我々の訪問診療チーム「KISA2隊」の依頼件数というのは日々増えている状況で、今も増えています」

 ―――大阪府は病床使用率が40.6%(7/20時点)。内訳は重症病床が3.8%、軽症中等症が46.1%、宿泊療養施設が33.9%。数字だけ見ると重症化しにくいのか、と見てしまう。

 (小林正宜院長)
 「おっしゃる通りで、やはりオミクロン株のBA.1のときと同じで重症化はどちらかというとしにくいんですが、中等症病床っていうのも、重症化になり得る方々がご入院されるところで、自宅ではなかなか療養難しいという患者さんが入るので、そこの病床が逼迫してくると一般の診療にも影響が出てくるというふうになると思います」
―――オミクロン株のBA.5について、WHOのテドロス事務局長はこれまで検出された中で最も感染力が強いというふうに話しました。

 (小林正宜院長)
 「『KISA2隊』としてコロナ患者を往診、現場で感じたこのBA5の特徴なんですけども、全年齢層で患者が急増している、第7波は症状や年齢層が一定せず、様々な症状を訴えるということで症状が様々なものがある。私が感じるのは「特徴がないのが特徴」という感じもします。第7波の特徴としては第6波と比べて全国で一斉に感染者の数が増えたなという印象があります。やはり今までは、東京で増え始めたとか、大阪で感染者数が増えた、ということが多かったのですが、今一気に全国で増えていることが一つの特徴であると。また症状に関しても、BA.1のときはですね喉の痛い患者さんがほとんどで、かなりそれがつらいということでしたが、今は咳がつらいとか、もちろん喉が痛い方もいらっしゃいますけれども「頭痛」「高熱」「しんどい」「下痢」とかいろんな症状で往診を呼ばれる方が多いというふうに感じています」

 ―――BA.5に関してフランスの公衆衛生局がまとめています。倦怠感、咳、発熱、頭痛、鼻水などということです。味覚異常、嗅覚異常も実は今までより増えている。私の家族も感染したんですけども、倦怠感もあったし、発熱もあったし、頭痛もあった、複数の症状があった

 (小林正宜院長)
 「喉の痛みというのはあると思うけれども、これといって特徴的なのがBA.5には出ていない。風邪症状というのが一番わかりやすいと思うんですけども、その中で稀に味覚異常嗅覚異常ってのは出てこれる方もいらっしゃいますけども我々往診チームで見させていただいてる分にはそこまで味覚異常、嗅覚異常は多くないのではという印象です」

 ―――症状が続く期間は、BA1が平均4日間なんですがBA5になると平均7日間、ちょっと長いんですか。

 (小林正宜院長)
 「印象で申し訳ないけれども、やや長めかなという印象はあるんですが、4日から7日というのは2倍近く伸びているという感じなんですが、そこまでの症状の伸びはないようにも思いますが、これはちょっと統計を調べてみないとわかりません」