3か月かけて作った“取り扱い説明書”…復帰を待っていた仲間

悩みを共有し、自分にできることはないのかと考えた西田さん。職場の人に向けて“あるもの”を作りました。それは自分が「できること」「困難なこと」を記した西田さんの“取り扱い説明書”です。
【“取り扱い説明書”より】
「私は、メモが取れないです。数字など間違えてはいけない大事な言葉をメモいただくとスムーズです」
「電話、窓口対応について。失語症で当面は対応ができません」
長い文章や文字が打てない西田さん。3か月かけて説明書を作りました。

そして西田さんは今年4月、本格的に職場に復帰することができました。発症前と同じ介護保険課で事業者の指導や監督をする仕事です。

長い文章は一度に理解することが難しいため、一部を紙で隠して1行ずつ読みます。
(西田小百合さん)
「短かったらスラスラと読めるけど、長くなると区切って読まないといけない。視界が隠れるとより見やすい」

職場でもメモやパソコン作業を手助けする職員を配置するなど、西田さんを迎え入れる体制を整えていました。
(西田さんの上司)
「簡潔に伝えるとか紙に書いて補うとかは必要だと思うんですが、特別それ以上の気を使わないといけないとかは特に必要ないと思っていましたので」
(西田さんと同じ課の職員)
「(職場復帰は)涙が出るくらいうれしくて。おこがましいですけれどサポートができるのであれば自分にできることはさせていただこうと」
「まわりに気を配ってくださるし、(発症前と)変わらない」
(西田小百合さん)
「ありがとう」

復職から3か月。西田さんは同じ失語症に悩む人たちに伝えたいことがあります。
(西田小百合さん)
「言葉の支援を待っている人がいるので、失語症でも笑って過ごすことができるよって言いたいですね」














