被害者対象の限定がなくなった

Q.強姦罪と強制性交罪・強制わいせつ罪、そして新たに改正された不同意性交罪・不同意わいせつ罪の違いは?

<静岡刑事ディフェンダー法律事務所 佐野雅則弁護士>
まずはベースとして、強姦罪などの性犯罪は、重罰化の傾向がはっきりしています。平成26年に法務省が性犯罪の罰則に関する検討会を設置し、平成29年に実際に法改正が行われ、強姦罪では外れていた対象・行為も、その一部が強姦罪と同じ重いレベルで罪を問える強制性交罪が誕生しました。性的自由の保護の重要性がきちんと認知されてこなかった社会がようやく動き出したということです。

静岡刑事ディフェンダー法律事務所 佐野雅則弁護士

Q. 強姦罪では外れていたものとは?

<佐野弁護士>
一番わかりやすいのは、強姦罪の被害者の対象は女性のみだったのに対し、強制性交罪では対象に男性も加わり、限定がなくなったことです。

Q.それまでは男性が被害者の場合は強姦罪が適用されなかったということですか?

<佐野弁護士>
被害者や行為対象として、これまで扱われていなかったわけではない(強制わいせつ罪の対象とされていた)ものの、刑法上の罰則が軽かったものが、一番重い刑罰で扱われるようになりました。