男子200mは米国に、女子200mはジャマイカに、どちらも100mに続いてメダル独占の可能性がある。
■7日目(日本時間22日)の決勝種目と日本選手出場予定
9:05【男子やり投予選A組】ディーン元気
9:10【女子800m予選】田中希実
10:10【男子5000m予選】遠藤日向
10:35【男子やり投予選B組】小椋健司
11:35【女子200m決勝】
11:50【男子200m決勝】
男子は前回優勝者のN.ライルズ(25)、19秒49(世界歴代4位)の出場選手中最高タイムを持つE.ナイトン(18)、東京五輪銀メダリストのK.ベドナレク(23)の米国トリオが決勝に駒を進めた。準決勝では2組(+1.1)1位のライルズが19秒62、3組(+0.3)1位のナイトンが19秒77、2組2位のベドナレクが19秒84で、準決勝のタイムでも1~3位を占めている。
前半のカーブをリードするのはナイトンだろう。準決勝の100m通過は10秒27で全体で一番速かった。だが後半のタイムはライルズの9秒26が、準決勝全体で群を抜いて速かった。ホームストレートではライルズがナイトンを追い上げる展開が予想される。
準決勝のタイムからライルズ優位といえるが、五輪&世界陸上の決勝という大舞台では、先行された後半型の選手が硬くなるケースが何度かあった。ライルズがいつものリラックスした走りができるか、ライバルを前に見て力みが出てしまうのか。注目点の1つだろう。
米国トリオのメダル独占を阻むとしたら準決勝1組(-0.1)1位のA.オガンド(22・ドミニカ)か。今季ドミニカ記録を4度も更新し、準決勝で19秒91まで記録を縮めた勢いは侮れない。
女子は今大会100m金メダリストのS-A.フレイザープライス(35)、シーズンベスト21秒55(世界歴代3位)が出場選手中最高のS.ジャクソン(28)、リオデジャネイロ&東京五輪連続100m&200m2冠のE.トンプソンヘラ(30)と、100mでメダル独占を果たしたジャマイカトリオが顔をそろえる。準決勝は1組(+2.0)1位のジャクソンが21秒67のトップ記録で通過し、3組(-0.1)1位のフレイザープライスが21秒82で続いた。
しかし2組(+1.4)はトンプソンがフィニッシュ前で逆転されて21秒97の3位。21秒95で同組1位のT.クラーク(23・アメリカ)と、21秒96で2位のD.アッシャースミス(26・イギリス)がジャマイカのメダル独占を阻止する可能性が出てきた。アッシャースミスは前回ドーハ大会の金メダリストだ。
それでも金メダル争いはジャマイカ選手同士で展開されそうだ。前半のカーブは準決勝の100mを11秒08で通過したフレイザープライスがリードするが、ホームストレートは準決勝の後半を10秒61で走ったジャクソンが追い上げそうだ。準決勝のタイムが1位のジャクソンが現時点では優位に立つ。
だが前半型の選手が速いリズムに乗り、大舞台に集中力が高まって逃げ切るケースもある。フレイザープライスが13年世界陸上モスクワ大会で金メダルを取ったときがそうだった。
トンプソンヘラも準決勝は少し抑えた印象もあった。本来の力を発揮できたら前半からフレイザープライスに近い位置で走ることができる。
決勝は2、4、6レーンにジャマイカトリオが入り、間の3レーンにアッシャースミス、5レーンにクラークが入った。ジャマイカトリオの争いに、米英のエースがどう割って入ってくるかを確認しやすいレーン配置になった。
日本勢では男子5000m予選2組に遠藤日向(23・住友電工)が登場する。2組で行われる予選の通過条件は各組5着までと6着以下の記録上位5人。予選から12分台のハイペースになることはほとんどないので、重要になるのはラスト1周(400m)のタイムである。
東京五輪も予選通過条件は同じだったが、1組5位はフィニッシュタイムが13分39秒42でラスト1周は54秒4だった。2組5位は13分30秒61で58秒5。ラスト1周のタイムが大きく違うのは、2組の方がラスト100mからのスパート合戦になったからだ。
遠藤は自己記録の13分10秒69を出したとき、ラスト1周を55秒台後半で走った。東京五輪のように13分30秒前後のペースなら54秒台も可能だろう。オレゴンは遠藤が21年途中まで、3シーズン武者修行したバウワーマンTCの拠点である。この種目初の日本人決勝進出が期待できる。
女子800m予選6組には、前日の5000m予選を通過した田中希実(22・豊田自動織機)が登場する。各組3着までと、4着以下のタイム上位6人が翌日の準決勝に進む条件だ。
自己記録では6組を走る8人中7番目だが、シーズンベストでは1分57~58秒台の2人を除けばそこまで大きな差はない。着順通過は難しいが、東京五輪では2分01秒16まで予選を通過できている。自己記録を1秒少し更新することができれば、可能性がないわけではない。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
※写真は女子100mで表彰台を独占したジャマイカの選手
(金:S-A.フレイザープライス、銀:シェリカ・ジャクソン、銅:エレイン・トンプソン・ヘラ)
注目の記事
【初密着】110番通報を受ける『大阪府警・通信指令室』 約2割は"迷惑通報"など緊急性なし「何千回も同じ内容でかけてくる」 それでも府民の命を救うため「どんな声にも耳を傾ける」

「謎の光る帯」上空で目撃 明け方に揺れるその正体は…専門家に聞いてみると 鹿児島・姶良市

今シーズン「ノロノロ台風&迷走台風」多発か さらに勢力は去年より増す可能性も 海水温の上昇だけでなく“偏西風”にも理由があった 備えるため「予報円」正しい理解を tbc気象台

富士山噴火 その時、大量の火山灰が降ると…「人の流れ、物の流れが滞ってくる」 専門家が指摘する準備と対策

「3行超えたら威圧感」「その絵文字は怖い」令和7年のSNS作法 あなたはついていける?「インスタは顔にモザイクがカワイイ(*´ー`*)」え??【原田曜平教授も解説】

ラオスで広がる日本人“児童買春ツアー”の闇 授業の合間に呼び出され…性的搾取される少女たち
