大分市中心部で大正時代、皇族により植樹された松の木がマツクイムシによる被害で3月に伐採されることになりました。

(吉田記者)「大分市中心部の通りに面したこちらの大きな松。ほどんどの葉が茶色く変色してしまっています」

大分市高砂町にある高さ約8メートルの松の木。1922年の大正11年、日本赤十字社の総裁だった閑院宮載仁親王が当時この場所にあった日本赤十字社県支部を訪れた時に植えました。日赤県支部は建物の老朽化に伴い、1974年におよそ800メートル離れた現在の場所に移転。跡地は駐車場になりましたが、松の木だけはそのまま残っています。

(日本赤十字社県支部・光成大さん)「この松も夏までは元気な状態だったんですけど、急速に悪くなるというのがマツクイムシの症状です」

2024年2月27日撮影

去年11月、葉の一部に変色が見つかり、樹木医が診断したところ、マツクイムシによる被害が判明。歴史ある松は3月18日に伐採されることになりました。

(日本赤十字社県支部・光成大さん)「100年間、私たち赤十字社の先輩方を見守ってくれたし、地域のシンボルとしても大切にしてくれた方がたくさんいると思います。感謝の気持ちでいっぱいです」

1世紀以上にわたり、街とそこで暮らす人たちを見守ってきた皇族ゆかりの松。まもなく、静かに歴史の幕をおろします。