「ライドシェア」というサービスを聞いたことはありますか?まだ聞きなじみがない言葉ですが、一般のドライバーが、自家用車を使って有料で乗客を運ぶサービスです。政府は4月から地域や時間帯を限定して「ライドシェア」を導入することにしていますが、この背景にあるのが、タクシーのドライバー不足です。山口県内の実態と、解消に向けた新たな取り組みを取材しました。
飲食店街のにぎわい復活も新たな課題

コロナ禍から、徐々ににぎわいを取り戻してきた飲食店街。お酒を楽しむ機会が増えてきて、浮き彫りになった問題もあります。夜間のタクシー不足です。
まちの人
「待つときは1時間とか2時間とか。飲みの帰り、金曜日や土曜日はやっぱりありますね。1~2時間待つなら歩いて帰ります」
まちの人
「だいたい深夜1時か2時に代行を呼ぶことが多いです。タクシーは2時間くらいつかまらないですね」
横浜から来た人
「それタクシーの意味ない!」
深刻なドライバー不足と高齢化
山口地区タクシー協会によると、夜間のタクシー不足はドライバーが足りないことが原因で、ドライバーの数はコロナ禍前より2割ほど減っています。
山口地区タクシー協会会長・大隅タクシー社長 大隅正和さん

「特に高齢ドライバーも増えてますので、なかなか夜のほうが大変だということも含めまして、どうしても夜の方が少なくなってくると」
山口市の大隅タクシーでは、ドライバーの平均年齢が65歳を超えています。ドライバーはシフト制をとっていて、夜間に出勤できるドライバーが少ないため、稼働できるタクシーの台数が昼間の3割ほどになっています。混み合う週末の夜などは、受付を断ることもあるそうです。
タクシー不足解消の切り札?!「配車アプリ」

タクシーのドライバー不足と高齢化は、県全体でも課題となっています。そんなタクシー不足を解消しようと、新たな取り組みが始まりました。「やまぐちTAXIアプリ」です。山口市内のタクシー事業者10社などが連携したタクシー配車アプリで、先月、県の事業の1つとして、実証実験が始まりました。

利用者はスマホにアプリをダウンロードし、名前やメールアドレスなどを登録します。タクシーを呼びたい場所と行きたい場所を選び、「タクシーを呼ぶ」ボタンを押すと・・・タクシーに注文が入る近くにいる車両に一斉に連絡がいき、最も早く迎えに行ける車が手配されます。

アプリには迎えのタクシーの現在地や到着予定時間も表示されます。あとは、ふだんどおりに乗るだけ。一度で10社に配車リクエストができるため、1社ずつに電話をする必要がなく、待ち時間の短縮につながるといいます。アプリの利用は、無料です。
コールセンター業務の軽減にも期待

オペレーター
「お電話ありがとうございます、大隅タクシーでございます」
人手不足は、ドライバーだけではありません。大隅タクシーでは、1日3人ほどの社員ですべての電話を受けています。週末などは電話がひっきりなしに鳴るそうですが、アプリの活用でコールセンターの負担軽減にもつながるのではと期待しています。














