バス運転手の高齢化に厳しい職場環境「減便や廃止は今後も続く」
さらに、“運転手の高齢化”が進んでいます。平均年齢は53.4歳、今後、退職者がさらに増えることが予想されますし、待遇がなかなか良くならない、という現状もあるようです。
厳しい職場環境。年間所得額が全産業平均と比べ約2割低くなっています。なかなか利益が上がらず、待遇も上げられないことで、新人の確保も難しく、苦労している状況が見えてきました。

さらに流通大学の板谷和也教授によりますと、「最近はカスハラなども離職を加速させる要因に。利用客が少なく、採算が取れていない路線が減便や廃止される流れというのは今後も続くでしょう」ということです。
ただ、街の声を聞いても、病院に行くためや買い物に行くための「生きるための足」ですから、何とか確保できないものかと思います。
井上貴博キャスター:
バスの運転手も人の命を預かる、それだけの重責。でもお客さんと直接接するので理不尽なクレームの対応もあれば、「まずは会社の責任よりもあなたでしょ」と運転手の責任になってしまう。
民間企業ですので、確かに足を残したいけれども、少子高齢化やマイカーがこれだけ普及すると、民間企業として採算がなかなか取れず、賃金も上げられない。
時代小説家 今村翔吾さん:
責任を持って路線を維持しようとしているバス会社というのは、絶対あると思うんですけどね。よく言われてることですが、やはり自動運転化していくしかないのかな、というところですよね。
これを話題に出すと「雇用の問題」などがセットで出てきますが、やはり意図的に過渡期をプロデュースしていくというか、雇用を守りつつ自動運転を少しずつ増やして、過渡期を作っていく、という感じの方がいいのかなという気はしますね。
井上キャスター:
確かに、車が普及したときも意図的に過渡期をプロデュースして、世界が変わっていって、職を失う方もいれば、新しい職が生まれるチャンスですものね。