■発信するのは賀久くんの難病について知ってもらいたいから

母親の結衣さんが、賀久くんの子育ての苦労や喜びをまとめた本をきっかけに「ぜひ話を聞いてみたい」とRSKラジオへの出演をお願いしました。

(千神アナ)
「そもそも発信しようと思ったきっかけは?」

(母親・結衣さん)
「息子が生後6か月の時に初めて“魚鱗癬の会”に参加したんですけども、この難病が知られていないからこそ、辛いことがあるっていう。『知られていないから』っていう言葉をいろんな方としゃべっている中でも聞くことが多かったので」

“魚鱗癬の会”は全国の患者や家族が集まり交流を深める会で、岡山に住む人も所属しているといいます。

(参加者)
「周りにはそういう話せる子もいないし、共感してくれる人もいないから」

多くの患者が偏見にさらされ悩んでいることを知った賀久くんの両親は、実際に、生活の中で浴びたいわれのない中傷の言葉も本の中に記しました。


(「産まれてすぐピエロと呼ばれた息子」より)

「今の見た?」
「なんやったんやろ、あの子」
「全身火傷さしたったんやろか?」
「可哀想になぁ」

(父親・陽平さん)
「世の中いろんな声がありますので、誹謗中傷があるのは当然のことなんだなと思って、それを受けて自分たちがどう対処するか」

(母親・結衣さん)
「外を歩かせるなとか、気持ち悪いとか、将来は見世物小屋へとか、歩く汚物と一緒とか…。いろんな言葉が届いてはいるんですけど」

そんな状況だからこそ、多くの人にこの難病の存在を知ってもらいたいと、講演会やブログなどで思いを伝え続けてきました。

(母親・結衣さん)
「(病気が)うつるから近寄ったらだめっていう風なこともあったので、うつらない難病なんだよっていうのも知ってもらうことによって、自分たちのあれなんですけど、生きやすくなるなって思います」

魚鱗癬を患っている人にとっては生きづらい現状があるのです。