日本人の4割以上が悩まされているという花粉症。
近年は子どもの患者も増加するなど、社会問題になっています。
花粉症対策の最前線を、呼吸器/アレルギー学会専門医の岸本久美子医師とともにお伝えします。

子どもの花粉症 約20年で4倍以上に

花粉症は低年齢化が進み、2019年時点で花粉症の症状がある人は5〜9歳で30.1%。1998年と比べると約20年間で4倍以上になっています。

医療法人社団ハピコワ会理事長 岸本久美子医師:
実際にスギの本数や花粉の量が増えてきた影響がまず大きいと思います。
特に今のお子さんたちは出生時から花粉が多い環境で生まれ育っていますので、花粉症の患者さんの数が増えているのだと思います。

1月に行なわれた小学生に対するロート製薬の調査でも、花粉症の子どもは47.4%にのぼり、勉強に集中しにくい、夜眠りにくいなど、日常生活に影響があるという小学生は53.9%でした。
また、発症の年齢は平均で5.8歳と、かなり小さい頃に発症していることが分かりました。

床掃除は「乾拭き⇒水拭き」の順で

岸本医師は、子どもの花粉症対策として「床掃除」を推奨しています。

▼床に近い子どもはハウスダストに含まれた花粉を吸いこみやすいので、こまめに床掃除を心がける
▼床掃除は乾拭き⇒水拭きの順で

岸本医師:
水抜きすると花粉が水で弾けて細かく増えてしまうという説もありますので、乾拭きから水拭きの順をすすめています。

花粉症対策で一番大事なことは、花粉を体に入れない、家に入れないということです。

環境省・厚労省が今年まとめた花粉症対策のリーフレットによるとー

≪花粉を避ける≫
・花粉飛散の多い昼前後・夕方の外出を避ける
・テレワークを活用する
・メガネ、マスクで対策をする

≪室内に持ち込まない≫
・花粉がつきにくい服装をする
花粉が付きやすいウールなどは避け、絹や綿にする
・窓を開ける幅を狭くする、レースカーテンで花粉の流入を減らすなど換気方法を工夫する