今からおよそ160年前の琉球王国時代、中国の冊封使をもてなした「からくり花火」が先週、浦添市の国立劇場おきなわで再現されました。

途絶えていた技術を現代に 

今からおよそ160年前の琉球王国時代。中国の冊封使が首里城を訪れた際、組踊とともに披露されていた「からくり花火」。

国賓を前に国王の代替わりを祝うため、王府に認められた花火師たちが1年ほどかけて準備をした”国を挙げてのおもてなし”でした。

国立劇場おきなわ調査養成課 茂木仁史課長
「花火の再現を続けていって、将来的には沖縄の財産になればと思っている」

長くその技術は途絶えていましたが、組踊の研究者で国立劇場おきなわの茂木仁史さんが発起人となって古文書の分析などが進められ、これまでに5つあるうちの4つを再現してきました。

最後の1つの再現に向けて、今回も花火師の金城義信さんと、組踊の小道具などを手掛ける金城裕幸さんが制作にあたります。

仕掛け担当 金城裕幸さん
「今回のものが一番難しそうだったので、これは最後にやろうと最初で決めてあったので、みなさんも一緒にドキドキしながら見て欲しいですね」

今回披露される5つめの花火「玉火(たまび)」は点火すると灯篭から宝物が飛び出す仕掛けで、もっとも華やかな花火とされています。

国立劇場おきなわ 茂木仁史さん
「琉球国に色々な宝や素晴らしいものがあって、それが一斉に花開く様子を見せるっていうかな、そういう花火なんですね。縁起物っていうのはラッキーとか幸運の象徴なので、素晴らしい世の中になっていくんだということを表している」

およそ160人の観客が詰めかけました。そして…。