海底にカキ殻をすき込むことで有毒な硫化水素を吸着して無害化するといいます。
広島大学 山本民次 名誉教授
「カキ殻の表面にそれ(硫化水素)をどんどんくっつかせながら酸化していく。硫酸イオンは無害。海水中にたっぷりある。また、そこに戻しちゃうので、すごくいい働きをカキ殻はしている」

カキ殻は、そのまま使うよりも焼いて使う方が効率がいいことが実験結果でわかってきました。
広島大学 山本民次 名誉教授
「もとは炭酸カルシウム(CaCO3)なんだけど、熱を加えると、表面が酸化カルシウム(CaO)になる。CaOになると、硫化水素を抑える機能がぐっと上がるんです」
地御前漁協 峠誠二 理事
― 今のところの感触は?
「体感的にパッと見たときにカキ自体、海自体の変化は、はっきり言ってわからんです。これ、まいてすぐ変化があったら大変なこと」
地御前漁協は、3年前にカキ殻を散布して以来、海底の硫化物の量などを調査してきました。

その結果、改善とまでは行かないまでも、ほかのエリアでは増加している硫化物がカキ殻をまいたエリアでは「増加しない」という成果を確認しています。

廿日市市では、今のところ、カキ殻の購入費用の負担は生産者頼みですが…

地御前漁協 峠誠二 理事
「でも、やっぱり、お金がかかってもカキを作りたい。(カキの生産を)続けられるなら、ずっと毎年、カキ殻をまいていって、海の底の環境をよくしてあげて、それで全体的によくなってくるような、そういう思いはあります」
小林康秀 キャスター
▽一度まいたカキ殻は5年~10年、効果が続くとみられています。
▽広島県では、今年度もすでにおよそ8700万円を投じてカキ殻を漁場改良資材として活用する実験を始めていて、一定の効果があれば、拡大していく方針です。
▽関係者が口をそろえて言っていたのは、「カキ殻は、ゴミではなくて、広島の資源だ」ということ。有効活用することで循環する、そのルール作りが必要となっています。














